- 2005年10月26日
- 国・地域:イラク
- トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
サダム・フセイン元イラク大統領と7人の旧イラク政権幹部に対する裁判の初公判を監視するため、3人からなるアムネスティの代表団がバグダッドに到着した。初公判は10月19日(水)にバグダッドで開かれる。
アムネスティが裁判を傍聴し監視する目的は、裁判の公正さについて評価を下すこと、そして人権侵害の被害者に正義がもたらされることを保証する一助となるというアムネスティの公約を明らかにするためである。これは、その目的の達成のみならず、往々にして大規模な人権侵害を助長する免責の連鎖を打ち破るためにも不可欠である。
アムネスティは、この裁判が免責の連鎖に終止符を打ち、フセイン政権下で行われた人権侵害の被害者に正義と賠償をもたらすための重要な一歩であると考える。
アムネスティが懸念するのは、サダム・フセインとその他の被告人に対して公正な裁判、すなわち国際基準を満たした裁判が行われるかどうかということである。これは原則の問題であり、同時に今回の裁判が、フセイン政権下での大規模な人権侵害の罪で訴えられている被疑者らに対する今後の裁判のあり方を決めると考えられるからである。人権侵害の被害者に真の正義をもたらすためには、被疑者に対する公正な裁判が不可欠である。アムネスティはさらに、サダム・フセインとその他の被告人が有罪判決を受けた場合、死刑に処せられるべきではないと考える。
アムネスティは30年以上にわたって、サダム・フセイン政権下での大規模で甚大な人権侵害を記録し、これに対して行動を起こすよう国際社会に繰り返し働きかけてきた。人権侵害の無数の被害者に正義がもたらされること、そしてそれが公正な裁判手続きによりもたらされることが重要である。このことは、イラクの今後の人権問題にとって最も重要な意味を含んでいる。
アムネスティ発表国際ニュース
(2005年10月18日)
AI Index: MDE 14/037/2005
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