グアテマラ:裁かれない女性の殺害事件

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2005年11月30日
国・地域:グアテマラ
トピック:女性の権利
2005年8月12日、19歳の法学部学生クローディア・イザベル・ヴェラスケス・ペイスは、大学へ向かうために家を出た。家族が彼女の姿を見たのはこれが最後となった。

翌日、クローディアは遺体となって発見された。強かんされ、銃で頭を撃たれていた。

「クローディアは、女性を暴力から守ることができない国の、もうひとりの犠牲者となりました」 アムネスティ・インターナショナルは、グアテマラで犠牲となった女性たちの親族やNGOがさまざまな活動が予定されている「世界女性への暴力撲滅デー」の前夜、こう述べた。

グアテマラにおける何百人もの女性の殺害同様、クローディアの事件に関する初動捜査は不十分なものだった。

検死官がクローディアの遺体について基本的な検査を行ったが、関係者は重要な手がかりを追跡するのを怠った。彼女の衣服への法医学的な検査は行われず、家族のもとに返却されたため、重要証拠が失われた可能性が高い。主犯とされる人物が銃を発射したかどうかを確かめる検査も行われなかった。伝えられるところによれば、目撃者や貴重な手がかりも追及されることはなかったという。

2005年6月にアムネスティが女性の殺害に関するレポートを発行してからというもの、グアテマラの市民団体は、女性の殺害事件について効果的に対応するよう政府関係者に求めてきた。2005年7月の時点で、国立法医学機関を設立するための法案が議会に提出されている。しかし、アムネスティはこの法案が政府の支持を得ていないことに失望している。

アムネスティは、生命に対する罪に関する特別検察官事務所が女性殺害の調査のために人員を増強したことを歓迎する。「しかし、圧倒的多数の女性殺害事件が調査されず、罪に問われないでいるかぎり、これらの対策も不十分といわざるを得ない」とアムネスティは語った。

アムネスティが得た情報によると、2005年1月以来、生命に対する罪に関する特別検察官事務所に送致された女性殺害事件が有罪判決や処罰に至ったケースはないという。

報道によると、2005年1月から10月の間に531名の女性が殺害された。これは2004年の527名を上回る。また、警察によれば、女性に対する性暴力の件数も増加しているという。

「クローディアの両親は、11月21日、彼女の20歳の誕生日を祝ってあげているはずでした。ところが、彼らは今、殺された娘のために正義を求めて闘っているのです。」

背景情報
アメリカ大陸のアムネスティ・インターナショナルのメンバーは、「世界女性に対する暴力撲滅デー」を迎えるにあたり、それぞれの国のグアテマラ大使館を訪ね、グアテマラで殺害された何百人もの女性のために正義を求める。

グアテマラにおける女性の殺害に関するレポートについては、下のサイトを参照してください。
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGAMR340172005

アムネスティ発表国際ニュース
(2005年11月24日)
AI Index: AMR 34/043/2005

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