- 2006年8月11日
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:地域紛争
イスラエルが南レバノン全域において、道路、橋、電気通信機器、電気通信網、燃料庫などを砲撃したため、数万人の民間人が家を捨てて避難せざるを得なくなった。しかし避難できなかった数千人が今もまだこの地域に取り残されている。
「レバノン南部の民間人の窮状は限界点に達している。退去を望む民間人の避難は今すぐに行われなければならない。また、緊急物資や援助が南レバノンの村々に至急届けられる必要がある。」と、アムネスティのケイト・ギルモア事務次長は語った。
「イスラエル当局は、南レバノンからの安全な避難通路を開き、また迅速かつ妨害されない人道支援ができるようにすべきである。どうしても必要な支援を届けようとしている人道援助車両群が安全に通行できないのはまったくもって許しがたいことだ。」
少なくとも1週間、赤十字国際委員会も、その他のどの人道団体や救援組織も、イスラエルが包囲している区域の村にたどりつくことができていない。木曜日、国連の人道援助担当官首席のジャン・エゲランドは、今もレバノン南部にいる12万人の人びとへのアクセスを妨害しているイスラエルとヒズボラを批判し、これを「恥ずべきことだ」と言った。
今週始めに多くの村を訪れたアムネスティの調査団は、中でも少なくともエタトゥンとビント・ジュバイルという2つの村で、女性、子ども、老人、障害者を含めた200人以上の人びとが取り残されていると報告した。また、妊娠している女性も少なくとも1人いたという。
自宅で亡くなった人びとの遺体ががれきの下に埋もれたままなので、村には遺体の耐え難い腐敗臭がただよっているとアムネスティの調査団は語った。犬がうろついている場所には遺体が埋まっていることが多い。
「人道的に悲惨な状況なのは、我々の調査団が訪れることができた村だけではない。紛争で避難経路を絶たれたままの人びとの絶望的な状況は、レバノン南部全域の村にもあてはまる」と、ケイト・ギルモア事務次長は述べ、さらに、「イスラエルが住民に対して村から避難するよう繰り返し呼びかけたため、大量の国内避難民が生まれた。単に警告を発しただけでは、戦争のルールを無視することの言い訳にはならない。」と指摘した。
アムネスティはイスラエルに対し、法に従い民間施設と軍事施設を区別するよう求めた。イスラエルは、居住用建物や医療施設などの民間の施設を直接、過剰、無差別に攻撃することを止めなければならない。
アムネスティ発表国際ニュース
2006年8月11日
AI Index: MDE 02/013/2006
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