- 2024年11月 2日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:難民と移民
イスラエル議会は10月28日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のイスラエル国内での活動を禁止する法律を可決した。この極めて理不尽な法律は、パレスチナ難民の権利に対する明白な攻撃である。
この法律は、東エルサレムのUNRWA本部を強制的に閉鎖し職員のビザを停止することで、被占領パレスチナ地区地域での活動を不可能にする狙いがある。人道支援を犯罪とみなす今回の対応は、すでに壊滅的な状況にあるパレスチナの人道危機をさらに悪化させることになる。
この1年間、ガザ地区のパレスチナ人は、イスラエルの攻撃にさらされ、避難を強いられ、ジェノサイド(集団殺害)の危機にさらされてきた。UNRWAは、飢餓状態にあったガザ地区のおよそ200万人に、食糧、水、医薬品、教育、避難所を提供するという重大な役割を果たしてきた。
UNRWAの活動を禁止する法律を可決したイスラエルは、十分な人道支援の確保と基本的なサービスの提供を命じた国際司法裁判所の勧告を露骨に無視している。
UNRWAは創設以来75年にわたり、占領下にあるガザ地区やヨルダン川西岸地区、近隣諸国のパレスチナ難民の命綱になってきた。パレスチナの人びとの窮状は、長年にわたるUNRWAの不断の活動がなければ、さらに深刻になっていただろう。
この恐るべき非人道的な法律は、想像を絶する苦難に耐えてきたパレスチナ人の苦しみに追い討ちをかけるだけだ。国際社会はイスラエル政府を最大限強く非難し、同法を撤回するよう圧力をかけなければならない。
背景情報
1949年に創設された国連機関のUNRWAは、パレスチナ難民の救済と人材育成を支援してきた。活動資金のほぼすべてが、国連加盟国の任意の拠出で賄われている。
UNRWAは、パレスチナ難民を「1946年6月1日から1948年5月15日までの通常の居住場所がパレスチナで、1948年の紛争で住居と生活手段を失った人びと」と定義している。
占領側のイスラエルが、ガザ地区や他の被占領パレスチナ地域のパレスチナ難民に対する義務違反を露骨に続ける中、UNRWAは人道支援、教育、避難所を提供し、パレスチナ難民にとっての唯一の生命線としての役割を果たしてきた。UNRWAは、近隣のアラブ諸国に住む数百万人のパレスチナ難民にも切実に必要とされる支援を提供している。
昨年10月7日、ハマスや他の武装集団がイスラエル南部を攻撃した時、UNRWAの一部の職員が関わっていたとして、今年1月、EUと加盟国十数カ国がUNRWAへの資金拠出の停止を発表し、非難を受けたUNRWAは、職員9人を解雇した。
UNRWAへの資金拠出を停止した国のほとんどが支援を再開したが、米国では少なくとも2025年3月まで拠出が凍結されたままだ。
アムネスティ国際ニュース
2024年10月29日
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