チャド: 民間人をジャンジャウィドの再攻撃から保護せよ

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2006年11月 1日
国・地域:チャド
トピック:地域紛争
武装民兵ジャンジャウィドの攻撃再開を阻止する対策が講じられなかったため、チャド東部では民間人の殺害や大規模な強制移住が起こっている。多くの人びとが懸念していたとおり、雨季が終わるとともに、チャド東部の村々への襲撃が再開されている。

ジャンジャウィドは、再び、スーダンから国境を越えてチャド東部の村々を攻撃している。10月3日からの攻撃で、すでに10におよぶ村々が襲撃されている。少なくとも12人が殺され、数十名の負傷者がでており、一部はゴズベイダ病院に収容されている。攻撃された村は、バルアズームおよびシナー郡のジメジ、ジメゼ・モビ、ジェジベ、マルファカデル、カチカチャ、ミレナ、アウィラド村等である。内、4つの村は焼き討ちされている。

アムネスティ・インターナショナルではカルトゥーマ・カミスという女性1人を含む、9人の犠牲者の名前を確認している。

アムネスティ・インターナショナルの2006年6月発表の調査報告「チャド/スーダン:ダルフールが火種に(AI Index: AFR/006/2006)」によると、2005年9月以来、ジャンジャウィドはダルフールから組織的にチャド東部の民間人へと攻撃をしかけ、特にダジョ、マサリトといった特定の民族グループを標的として容赦なく組織的に家から追っている。スーダン政府は、同国ダルフール地方の惨劇同様に、国境を越えチャド領土でも襲撃・略奪・殺戮を繰り広げるジャンジャウィドの無法行為に対して何もしていない。民兵の多くが、同国の準軍事組織の一員であることを示す証明書を所持している。

チャド政府は、同国東部の国民を保護できないばかりか、その意思すらもみせていない。先週、チャド国軍は村々を防衛するために招集されたらしいものの、数時間も遅れて到着し手遅れに終わったという。

国連安全保障理事会決議1706号は、ダルフールの国連平和維持軍が「チャドおよび中央アフリカ共和国とスーダンの国境周辺地域での武装グループの越境活動」を監視することを義務付けている。また、同決議はチャドの主要地域への国連軍の配備も織り込んでいる。

スーダン政府は同国ダルフール地方への国連平和維持軍の配備を依然として拒み続けている。ダルフールに駐留しているアフリカ連合の平和維持軍(AMIS)は、国境を越えてチャドの村々へと攻撃を展開しているジャンジャウィドを阻止することを任務とはしていないし、そのために必要な装備もない。

国際社会は、ダルフール和平交渉の遅れのためにチャド東部の人びとを人質にするようなことを許してはならない。予測されていた攻撃が開始され、人びとが殺され、家を追われている。今こそ、保護が必要なのである。軍が守っている場所をジャンジャウィドが襲撃することは、ほとんど、いや、まず、ない。

スーダン政府は、これ以上国境を越えた攻撃が行われるのを防ぎ、AMISと国連に協力して、チャドとダルフールの人びとを守らなければならない。
チャドは必要な場所に軍を展開し、民間人を守らなければならない。もしもそれが不可能なのであれば、国際社会からの協力を得るべきである。
国連安全保障理事会は、チャド東部での民間人保護を確実にするため、安保理決議1706号に基づく早急な査察団の派遣を含む方策をただちに講じるべきである。

AI Index:AFR 20/011/2006
2006年10月13日

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