- 2008年12月31日
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:地域紛争
11月初め以来、国際人道援助および人権活動家、ジャーナリストはガザに入ることを許されないままで、例外的に数人のジャーナリストが12月初旬のわずか数日間ガザに入ることを許可されたのみである。
「人道援助活動家、ジャーナリスト、そして人権監視員が緊急に現地でのニーズを査定し、暴力行為を報告し、現場の現実を公表することが必要である」とアムネスティは述べた。
アムネスティはまた、海岸沖のイスラエルの砲艦からガザに向けた砲撃によって、民間人への危険が増大していると考えている。過去、そのような人口密集地への不正確な砲撃が、多数の民間人死傷者を出し、イスラエル自ら砲撃を中止する結果となったことがある。
攻撃が続く中、アムネスティは、イスラエル当局と事実上の政権であるハマス、またその他のパレスチナ武装勢力が、あらゆる違法な攻撃を止めるように要求する。空爆あるいは砲撃、自家製ロケット、いすれによるものであろうと、軍事目的で使用されていない建物や民間人を標的としてはならない。そして、軍事作戦で引き起こされる危険から民間人を保護するために必要なあらゆる予防措置を取らなければならない。
アムネスティはまた、イスラエル軍によるガザへの地上侵攻が民間人の犠牲者を著しく増加させる危険について、重大な懸念を表明する。
「イスラエル軍は、民間人が避難できるような「安全」な場所がガザにはないことを留意すべきである。イスラエル軍は、ジャバリア難民キャンプがいかに人口が密集した地域であるかを認識しており、ほとんどの家屋は粗末なアスベストの屋根がついた軽構造のもので、攻撃に耐えられないことも認識している。つまり、事実上、攻撃は民間人を確実に殺傷するものである。イスラエル軍は民間人を過度な危険にさらす攻撃を行なってはならない。少なくとも、民間人に危害を加える可能性の最も低い攻撃の手段や方法を常に選択しなければならない」
「私たちはすべての紛争当事者が民間人を標的にしないよう、また民間人の生命を危険にさらす無差別もしくは過剰な攻撃を実行しないように求める」とアムネスティは強調した。
事例
12月27日、国連難民救済事業機関(UNRWA)の学校の生徒7人が、授業が終って下校途中に、校外で殺害された。土曜日の午前11時30分頃にイスラエルの爆撃は開始されたが、それは通りが非常に混雑する時間帯だった。特に、正午に子どもたちが授業を終えたちょうどその時間が、最初の爆撃が最も激しく行われた時だった。
12月27日11時30分頃、、試験を終えたムハンマド・アルアワディは、兄弟のアーメドとともに住まいである孤児院に戻るため、ガザ市中心部のリマル地区にあるアルカーメル校を出た。学校は住宅地区のアルアッバス警察署の近くにある。ムハンマドが学校を出たちょうどその時、警察署に爆弾が落とされ、ムハンマドは致命傷を負った。彼はガザ市の病院の集中治療室で治療を受けたが、12月30日の夕刻に死亡した。爆撃作戦が始まったばかりの頃で、全く突然のことだった。
12月28日にはバールーシャ家の4歳から17歳の姉妹(ジャウィール、4歳;ディナ、8歳;サマール、12歳;イクラム、14歳、ターリール、17歳)が、ジャバリア難民キャンプの自宅で殺された。このキャンプはガザで最大の人口密集地域であるガザ市より北に位置している。彼らの家に近いモスクが爆撃された時に、他の兄弟姉妹4人も負傷した。彼らの家以外にも何件かの他の家屋も破壊され損壊した。
12月28日から29日の夜にかけて、アルアブシ家の3歳から14歳までの兄弟3人(セドゥキ、3歳;アーマド、12歳;ムハンマド、14歳)が母親と一緒に殺され、他の兄弟姉妹数人も負傷した。ガザ南部のラファにある難民キャンプに対する攻撃で彼らの家が破壊された時のことである。
12月27日に攻撃が始まってから、(12月31日の時点で)360人を超えるパレスチナ人が殺された。その中には多数の非武装の民間人、そして約70人の女性と子どもが含まれている。およそ1700人のパレスチナ人たちが負傷している。
パレスチナ自治政府大統領のマムード・アッバスの武装部門であるアルアクサ殉教者団を含むガザのすべてのパレスチナ武装勢力が、ガザからイスラエル南部に向けてロケット弾を発射しつづけ、4人のイスラエル民間人もまた殺され、多数の負傷者を出している。
アムネスティ発表国際ニュース
2008年12月31日
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