イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:人道的見地からガザ地区での一時休戦を求める

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2009年1月 6日
国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
トピック:地域紛争
アムネスティ・インターナショナルは、本日、イスラエル、ハマスおよびパレスチナ武装勢力に向けて、包囲された民間人がどうしても必要としている人道援助、負傷者の救出、紛争地域を安全に離れたい民間人の保護などを可能にするため、ガザでの一時休戦を求めるよう、国連安保理に要請した。

「ガザの民間人は、人道的な壊滅状態の中に囚われており、今すぐ戦闘行為を休止させることが必要である」。アムネスティ中東北アフリカ部長のマルコム・スマートはそのように述べた。

「今回の紛争の当事者たちが国際人道法を尊重していないことは、あまりにも明らかだ。そしてガザの民間人は、あまりにも高い代償を支払わされている」

「11日間の紛争状態とガザの民間人が被っている膨大な被害にもかかわらず、イスラエルもハマスも未だに停戦の呼びかけに応えていない。停戦できない以上、民間人を守るために人道的見地にもとづく一時休戦が今すぐ必要だ。人道援助が必要な人びとに行きわたるまで、そして脱出を望む人びとが避難できるまでの間、戦闘行為を止めなければならない」。マルコム・スマート部長は語った。

「戦闘が一時的に止めば、少なくともどうしても援助が必要な人びとに基本的な支援が届くことは確保できる。脱出を可能にし、負傷者への手当て、そして亡くなった人びとの埋葬ができる。そしてガザに囚われた民間人が保護を求めて紛争地域から隣国の助けを得て避難したり、基本的なインフラの修理などが可能になる。人道活動家が保護や支援の活動を安全に行うことが確保できる」。マルコム・スマート部長はそのように語った。

アムネスティは、イスラエル、ハマスとその他のパレスチナ武装勢力に対し、民間人に対する攻撃や国際人道法違反の攻撃を止め、人道支援が入るのを許可するよう繰り返し求めてきた。アムネスティはまた、国連安保理と国際社会に対し、国際法の遵守を確保するよう求めてきた。

しかしながら、民間人、特にガザに囚われている150万人に上るパレスチナの民間人は、今回の紛争の攻撃目標にされ、あまりにも大きすぎる被害をこうむり続けている。

背景情報:
12月27日以降、500人以上のパレスチナ人が殺害された。うち100人以上は武装していない民間人である。その中には大勢の子どもたちも含まれている。また、2000人以上が負傷した。イスラエル軍の無差別空爆は続いており、民間人に大きな被害が出ている。迫撃砲は特定目標を攻撃するには不向きで住民が密集している地域では決して使用してはならない武器なのだが、それが使用されたことでさらに多くの民間人が死傷している。1月3日以降のイスラエル地上軍のガザ侵攻により、居住地域の真ん中で戦闘がおこっている。イスラエル軍はガザを3分割しており、それにより人道的な危機状態がより激しいものとなっている。

ハマスや他のパレスチナ武装勢力はイスラエル南部の町にロケット弾を何百発も無差別に打ち込んでいる。これは国際人道法違反である。こうした攻撃でイスラエル人3人が殺害された。

1月3日に開始されたイスラエル地上軍の侵攻は、戦線をより拡大させ、居住地域の中心部で戦闘が起こっている。民間人の危険はますます増している。

戦闘が継続している間もイスラエルには国際人道法の下での明確な義務がある。民間人への人道援助をただちに確保しなければならない。しかし、実際にはイスラエルは占領軍の義務に反して、むしろ基本的な薬品や食糧、石油、電気などの供給を妨げている。

ガザ地区では食糧、薬品、その他の生活必需品が大変な欠乏状態にある。国際赤十字委員会によれば、各病院とも、電気の供給を自家発電に全面的に頼っている状態であり、その発電機が故障した場合、イスラエルが部品の輸入を制限しているため修理できないという、危うい状態にある。戦闘により、救急車の乗員も救急連絡に対応することができないでいる。そのため、助かるはずの命をむざむざ落としている人びとがいる。

水を供給する多くの上水道が爆撃により破壊された。そのため、ガザ地区の一定の地域に住む人びとにとっては安全な飲み水の入手が難しくなっている。修理に必要な部品も爆撃で破壊されている。飲み水が欠如していることから、今後さらに被害は広がると思われる。

アムネスティ発表国際ニュース
2009年1月6日