ハイチ:救援活動には人権の保護も伴うべき

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2010年1月17日
国・地域:ハイチ
トピック:女性の権利
アムネスティ・インターナショナルは国連に対し、壊滅的な被害をもたらした12日の地震の被災者の人権と、特に弱い立場にある人びとを守るための対策を講じるよう勧告した。

アムネスティは、ハイチや世界各国で人命救助のための人道的活動やがれきの除去、そして基本的なサービスや崩壊した同国のインフラの再建のために尽力する国連と緊急支援や開発協力活動の従事者たちの迅速で勇気ある行動に対して敬意を表する。

加えて、震災の結果として孤児となった子どもたちの人権を尊重し、保護することにも特に留意する必要性を強調する。とりわけ少女たちは性的な虐待や暴力の対象となりやすい。

「無法地帯となったハイチの現状では、女性や子どもの脆弱さは増し、強かんや性的虐待のような犯罪が表面化せず罰せられることなく横行する危険性がある」とアムネスティ・インターナショナルのハイチ調査員へラルド・デュコは指摘する。「弱い立場にある人びとを性的な暴力から守ることは救助活動と同様に重要である」

アムネスティは、12日にマグニチュード7.1の地震が襲った後、数千人のハイチ人が死亡したとみられると発表した。何千人もが今も行方不明となっており、被災者は国際援助機関によって飲料水、食料、そして医療が提供されることを待っている。

災害後、ほとんどのインフラが崩壊して多くの当局者が行方不明となったため、ハイチ国家警察の法執行や司法制度の機能が大幅に損なわれている。

アムネスティは以前、ハイチの国中で起きている女性や少女への性的暴力の驚くべき実態を報告した。

「壊滅的な被害をもたらした地震の前から、ハイチでは人権が効果的に守られていなかった。特に女性や少女が性的な暴力の被害にあっていた。救援活動が行われている今、対策が講じられなければ、事態が悪化することは明白である」と、へラルド・デュコは述べた。

アムネスティ・インターナショナルは、被災者の家族や友人に対し深い哀悼の意を表するとともに、ハイチの人びとに対する連帯のメッセージを贈る。

2010年1月15日
AI Index: PRE01/007/2010
アムネスティ発表国際ニュース