リトアニア:バルト・プライド・マーチ、開催へ

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2010年6月29日
国・地域:リトアニア
トピック:性的指向と性自認
アムネスティ・インターナショナルは、首都ビリニュスで5月8日に予定されていたバルト・プライド・マーチ2010の開催を許可するリトアニア裁判所の決定を歓迎する。

最高行政裁判所は、先の行政裁判所による一時中止の裁定から2日後の5月7日、プライド・マーチの開催を許可した。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)の人びとを支持するこのマーチは、今回がリトアニアで初の開催となる。

アムネスティの差別に関する専門家であるジョン・ダルハウイゼンは、「この決定は、まさに正当な判決であり、結社の自由と表現の自由を尊重するものである」と述べた。

「私たちは、プライド・マーチの主催者が様ざまな困難に直面してきたことを遺憾に思います。ただ、今重要なのは、尊厳と安全性の下、人びとが自らの権利を守り、それを祝福するための行進が行われるということです」

このイベントの主催団体であるリトアニア・ゲイ・リーグ、トレラント・ユース・オーガニゼーション、およびラトビアのモザイカ、エストニアのゲイ・ユースらは、ブライド・マーチ開催にあたりいくつもの障害に打ち勝ってこなければならなかった。

今週、また新たな障害が立ちはだかった。リトアニアの暫定司法長官が、プライド・マーチ反対者のデモ隊が公的秩序の脅威となりうることを理由に、裁判所にプライド・マーチの禁止を求めたのである。この申し立ては、警察およびビリニュス市長が同イベント参加者の安全を保証すると確約していたにもかかわらずなされた。

リトアニアの大統領であるダリア・グリバウスカイテは、法律で禁止されない限り、グループおよび組織は、憲法による保障の下、自らの意見を主張する権利がある、と述べた。リトアニア、ラトビア、そしてエストニアに住むLGBTの人びとは、強い抑圧に直面している。最近なされたリトアニア国内の世論調査によると、全人口の4 分の3が、このバルト・プライド・マーチに反対している。このマーチは、セクシュアル・マイノリティの平等な権利に関する5日間のフェスティバルと会議の一環を成すものである。

「自分が何者であるか言えないがために、自分の生活を完全には生きられない人達が大勢います。私たちは3つのバルト緒国から参加するLGBTの人びとと共に行進します。なぜなら、私たちは共通の問題を抱えているからであり、私たちは、人びとに自分たちが存在していること、同じ問題を共有し、また同じ権利を持っていることを訴えたいのです」。モザイカのリンダ・フレーマネはそう語った。

20カ国を超える国々からやってくるアムネスティの活動家たちは、リトアニア、ラトビア、エストアのLGBT活動家らと共に、ビリニュス中心部で、5月8日の12~14時に行われるプライド・マーチに参加する予定である。

(補足情報)

5月8日、リトアニアで始めてのバルト・プライドパレードは、警官の警備の下無事に実施された。20カ国以上から、アムネスティのサポーターも参加し、 500名近くが行進をしたと伝えられている。

詳しい情報はアムネスティ国際事務局のブログLivewireをご覧ください(英語のみ)。
http://livewire.amnesty.org/2010/05/08/baltic-pride-2010-a-rainbow-over-lithuania/#more-1875

アムネスティ発表国際ニュース
2010年5月7日