マリ:政府は、支援機関の立ち入りを許可すべき

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2012年4月12日
国・地域:マリ
トピック:地域紛争
マリ北部が、重大な人道上の危機に瀕している。政府は、これ以上市民から死者を出さないよう、直ちに支援団体の立ち入りを認めなければならない。アムネスティー・インターナショナルは4月5日、このように述べた。

北部の3都市、ガオ、キダル、ティムブクツは先週末、武装グループによって占領された。それ以来、略奪や誘拐が多発し、混乱の日々が続いている。

「支援団体が提供する食糧、医薬品のすべては略奪され、支援団体で働いていた人びとのほとんどは、退去してしまいました。食料と医薬品の極端の欠乏で、住民は差し迫った危機に直面しています。とくに体力的に弱い女性や子どもが、犠牲になる恐れがあります」と、アムネスティ西アフリカ調査員のガエタン・ムートーは述べた。

ガオとマナカの町では、女性と少女たちが家から連れ去られ強姦された、という報告を受けている。「4月2日、3人の少女が武装した男たちにより自宅から拉致され、翌朝、帰されました。精神的ショックがあまりにも大きく、何をされたのか話すこともできませんでした」。ガオで現場を目撃した人が、アムネスティに語った。

アムネスティはまた、4月3日、男が13歳の少女を家から連れ去ろうとしたが、近隣の人びとが騒いだため、男は逃げ去ったという話を聞いた。「特に女性と少女たちは、恐ろしくて家から出られません。まるで無法地帯のようです」と、ムートーは語った。

北部一帯の状況は、悪化する一方である。ガオでは電気と水道の供給は止まり、病院は収奪された。ガオの住民は5日朝、「店も市場もすべて閉まっています。みんな、乏しい食料で生活しています」と、アムネスティに語った。

「医薬品は盗まれ、患者の記録はめちゃくちゃにされました。この数日で、何年もの医療努力と成果が、炎の中に消えてしまったのです」と、ある医師は語っている。

キダルでは、シャリア法を強要する武装グループのアンサー・ダインは、女性にベールを被るよう要求し、ナイトクラブを破壊した。店の支配人は現在、身を潜めている。ガオでは、すべての酒場が破壊された。

ティムブクツでは、アンサー・ダインの武装グループが、人びとを盗みと略奪の容疑で逮捕し拘束した。彼らの何人かはシャリア法にもとづいて処罰されるのではないかと懸念される。キダル、ガオおよびティムブクツの住民は、どんな方法を使ってでも現在の場所から逃れようとしている。

「町は空っぽです。人びとは南部かモーリタニアに向かっています。彼らは、車、バイク、あるいはロバに乗るなど、あらゆる手段を使っています」と、ティムブクツの住民は語った。

暴動が起こって以降、マリ北部から20万を超える人びとが脱出している。およそ10万人が国境を越え、隣国のモーリタニア、ナイジェリア、アルジェリア、ブルキナファソへ逃げている。

アムネスティ発表国際ニュース
2012年4月5日

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