アルゼンチン:強かん被害者の妊娠中絶が遅れることは、拷問に等しい

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2012年10月25日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:アルゼンチン
トピック:性と生殖の権利

アルゼンチンの最高裁判所は10月12日、強かん被害者の妊娠中絶を許可する決定をした.(C)AI
アルゼンチンの最高裁判所は10月12日、強かん被害者の妊娠中絶を許可する決定をした.(C)AI

アルゼンチンの最高裁判所は10月12日、強かん被害者の妊娠中絶を許可する決定をした。これは、同国における女性の権利の一歩前進である。

最高裁は、以前下級裁判所が出した、麻薬密輸団に監禁されていた32歳の女性が要求した妊娠中絶を中止させる命令を却下した。

この被害者が要求した手続きを不必要に遅らせることは、拷問もしくは、残虐で屈辱的な取り扱いに等しい。

関係当局は最高裁の決定に従って安全な妊娠中絶が受けられるようにしなければならない。そして遅滞なく合法的妊娠中絶規定について手引きを医療従事者に提供しなければならない。

最高裁判所は今年3月、「強かん被害者はだれでも裁判所の手続きなしに安全な中絶手術を受けられる」という裁定を下した。女性はその裁定に従って、ブエノスアイレスの地元病院で中絶手術を受ける予定だった。

ところが、その手術情報を知ったカトリック反中絶派のNGOが、地元の裁判所に「公立病院は最高裁の裁定に従う義務はない」という請願書を提出していた。裁判所はその請願を支持する裁定を言い渡し、病院は手術を中止した。

関係当局はその責務として、女性の権利を守らなくてはならない。そして、これ以上遅れることなく安全で合法的中絶手術を受ける女性の権利を尊重しなくてはならない」

アムネスティ国際配信ニュース
2012年10月12日

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