アルゼンチン:「国家によるテロ」を断罪 正義へのさらなる一歩

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2012年12月27日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:アルゼンチン
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当時の閣僚ハイメ・スマートと軍部職員22人が有罪判決をうけた(C)ALEJANDRO PAGNI/AFP/Getty Images
当時の閣僚ハイメ・スマートと軍部職員22人が有罪判決をうけた(C)ALEJANDRO PAGNI/AFP/Getty Images

軍事政権下(1976年~1983年)のアルゼンチンで民間人が行った人権侵害に、初めて有罪判決が下された。これは、正義の実現に向けたさらなる歴史的一歩である。

当時の閣僚ハイメ・スマートと軍部職員22人は、ブエノスアイレスにあった6カ所の不法拘禁施設で、社会運動家たちの誘拐、殺害、拷問に関与したとして12月19日、有罪判決を受けた。

スマートは1976年から79年にかけて、ブエノスアイレス州政府の内務大臣を務めていたが、この判決で終身刑を言い渡された。

この判決は、アルゼンチンが痛ましい過去と向き合いながら、国民に真相を伝え正義をもたらそうとすることの表れでもある。

今後の課題は、軍事政権下で起きた何千人もの人びとの殺害、拷問、失踪に、関与もしくは加担したすべての者を、民間人も含めて、裁判にかけることだ。

さらに、今回の判決で裁判所は、軍幹部による性的虐待は拷問にあたると指摘し、秘密拘禁施設となっていた警察署を追悼施設に変えることを求めた。

軍事政権下で、治安部隊はおよそ3万人を拉致し、その多くは行方不明のままである。

拷問や違法な処刑が大規模におこなわれるなど、広範かつ組織的に人権が侵害されていた。

軍人出身のホルヘ・ビデラとレイナルド・ビニョーネの2人の元大統領を含む政府高官の多くは、こうした犯罪の責任を問われ、すでに有罪判決を受けている。

※「国家のテロ」とは、当時の軍事政権によるアルゼンチンの人びとに対して行われた弾圧行為「汚い戦争」のこと。

アムネスティ国際ニュース
2012年12月20日

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