- 2014年2月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フィリピン
- トピック:
フィリピンの留置所の警察官たちが、日常的にルーレットで拷問方法を決めて被収容者を虐待していたことが、分かった。フィリピン人権委員会が施設内を視察した際に「拷問ルーレット」などを見つけて発覚した。
警察官たちは、さまざまな拷問方法とそれぞれの影響度をまとめた一覧表を作り、ルーレットをまわしてどの拷問にするか決めていた。例えば、「30秒間のコウモリ姿勢」では、被収容者が30秒間コウモリのように逆さまに吊るされ、「20秒間のマニー・パッキャオ(フィリピンのプロボクサーのこと)」は、20秒間休みなく殴られ続けるというもの。また、警察官たちは「どんちゃん騒ぎ」をしながらルーレットを回すこともあり、拷問はさらにエスカレートしたという。
フィリピン人権委員会は、被収容者44人が少なくとも法執行官10人を拷問や恐喝の疑いで告発した、と発表した。
警察官が、被収容者を拷問でもてあそぶような行為は、卑劣極まりなく、忌まわしい限りだ。常軌を逸した警察官と上司たちは、法廷で厳しくその罪を問われるべきである。
人権委員会によると、問題の留置所は、最新の国家警察全留置所リストにのっていない、事実上の闇の拘置施設となっていた。大部分が薬物関連で逮捕された被収容者たちは、拘置初日から情報を吐かせるために拷問されていたと訴えている。
伝えられるところでは、視察後10人の警察官が解任された。
フィリピンが、国連拷問禁止条約を批准してからほぼ30年、拷問禁止法を公布して5年もたった。いかなる場合でも絶対的に拷問を禁止するという考え方が、警察官1人ひとりに浸透していないのは、深刻で許しがたいことである。
拷問は犯罪である。警察当局は、拷問など残虐で、非人道的なすべての行為を、断たなければならない。アキノ政権は、国を挙げて日常的な拷問に終止符を打つために直ちに行動を起こすべきである。
アムネスティ国際ニュース
2014年1月27日
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