- 2014年8月19日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラク
- トピック:地域紛争
家を追われ、国境にある橋を渡ってシリアへと移動するヤジディ教徒の住民。(C)AHMAD AL-RUBAYE/AFP/Getty Images
イラク北部で何十万という住民が、イスラム教スンニ派の武装組織「イスラム国」による民族浄化のために、自宅を追われている。避難民の一部は「イスラム国」勢力に包囲されたシンジャール山中に逃げ込み、そこから動けない状況におかれている。
国際社会は即刻結束して、人道的援助を実施すべきである。これまでの対応ではまったく不十分である。
先日、山中で取り残されているヤジディ教徒(クルド系の少数派)住民に緊急援助物資が空から投下された。しかし、山から逃れた住民も脱出できないでいる住民も、アムネスティに「何の援助物資も届かない。最近投下された飲料水のボトルは、落ちた衝撃で多くが壊れてしまった」と語った。1人は、「私たちは何も持っていないし、何も受け取っていない。ここから出られない。出ると、ISISに捕まり殺される」と話した。
イラク政府、クルド地域政府、援助国、および国際機関は今こそ結束して、虐殺など残虐行為から逃れてきた子どもを含む多数の住民に避難場所と人道支援を提供すべきである。
「イスラム国」は、支配下地域からスンニ派以外の住民を追い出す目的で、北部イラクの宗教的少数派の住民の地域を集中的に攻撃している。
一方、米軍とイラク軍による「イスラム国」の拠点への空爆は激化が予想され、同地域に住むイスラム教スンニ派の人びとも、身の安全が脅かされている。その数は何百万人になるが、必ずしも自分の意思でそこにいるわけではない。イラク軍の空爆で命を失った住民もいる。つい先日、大学講師の夫とその妻、子ども4人の一家全員が空爆で殺された。同様の出来事が各地で起こっている。
軍や武装勢力は、軍事目標と民間人を常に区別し、決して民間人を攻撃してはならない。区別なく攻撃することは、国際法が禁止している。
アムネスティ国際ニュース
2014年8月12日
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