- 2014年8月20日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フィリピン
- トピック:
逃亡中の元国軍少将ジョビト・パルパランは、8月12日についに逮捕された。(C)EPA
フィリピンの捜査局と国軍兵は8月12日、元国軍少将のジョビト・パルパラン(63才)をマニラで逮捕した。
人権活動家から、しばしば「死刑執行人」と呼ばれてきたパルパランは、2006年に複数の大学生を誘拐・監禁した罪に問われている。
これを機に、当局は、権力を濫用して拷問や強制失踪、超法規的死刑執行を行ったとされる軍や警察関係者に、司法の正義を突きつける取り組みを加速すべきだ。
関係者の多くがいまだに法の手を逃れているのは恐るべきことだが、元少将の逮捕は、この状況が変わることを期待させるものだ。今こそ、不処罰特権の壁を打ち砕き、彼らを公正な裁判で裁くべきだ。
軍高官時代のパルパランは、人権侵害で悪評高い中央ルソン部隊を率いていた。彼の命令で、フィリピン共産党の多くの活動家やその支持者とみなされた人びとが強制失踪し、拷問を受け、裁判なしで処刑されたといわれている。
まん延する拷問
アムネスティには、同国の軍や警察がいたるところで拷問や残虐な人権侵害を行っているという報告が、数えきれないほど届いている。
元被害者のレイモンド・マナロさんは、パルパランの命令下で秘密裏に誘拐・監禁されたが、脱走後、自分や他の被拘禁者が受けた拷問を詳しく語った。その後マナロさんは、拷問を加えた警官らを告訴して最高裁まで争い、さらに国連拷問禁止委員会にも訴えた。
公にはあまり語られないが、拷問はフィリピンにまん延する病であり、闇であり、公然の秘密なのだ。いくら国が法律で禁止しても、国際条約に署名しても、それが紙の上の約束以上に守られることはない。
そんな中、アムネスティは、当局による拷問行為に対する不処罰を終わらせるために、何年にもわたり活動している。
アムネスティ国際ニュース
2014年8月12日
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