- 2015年3月 5日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:英国
- トピック:女性の権利
北アイルランドの中絶に関する法律は非常に厳しく、直ちに改正が必要である。
北アイルランドはヨーロッパで最も中絶に関する刑罰が重い。非合法な中絶をしたり、その手助けをした者は、終身刑を科される。強かんや近親相かんによる妊娠でも、胎児に障がいがあり助かりそうにない場合でも同じである。
北アイルランドの中絶禁止法は、英国が従うべき国際人権法に明らかに違反している。
この抑圧的な法律と重罰、そして保健医療省の行政指導の不作為から、医療関係者らは合法的な堕胎ですらためらうため、北アイルランドの女性にとって中絶を相談したり手術を受けられるかどうかは、ポストコード・ロッタリー(郵便番号くじ:地域による社会サービス格差を指す)状態となる。実際、北アイルランド西部や地方など、一部の地域の女性は、妊娠中絶を受けることができない。
このような差別は不当として、政治家は何らかの行動を起こすべきだ。毎年何百人もの女性が、本来受けられるはずの医療の権利を求めて北アイルランドを離れることを余儀なくされている。これは女性にとって深刻な問題である。
北アイルランドの政治家は、女性の健康に関する自らの責任をあまりにも長く放置してきた。保健医療省は、医療現場の医者やスタッフに向けて適切な指導を行う義務があるし、同時に議会は直ちに中絶禁止法の改正に取り組むべきだ。
イギリス妊婦支援サービスのドナ・ステンソンさんは次のように語っている。「1970年以来、59,614人の女性が中絶手術を受けるために北アイルランドからイングランドに行かざるを得なかった。文明国の政治家が、妊娠した女性が中絶のためにパートナーや家族を置いて、他の管轄区域に行くことを強要するようなことがあってはならない。中絶をするという決断そのものが、女性にとっては既に重いものなのだから」
アムネスティ国際ニュース
2015年2月26日
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