- 2016年6月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:
イスラエル軍は、パレスチナ人サーカス・パフォーマー、ムハンマド・ファイサル・アブ・サハさんの行政拘禁命令を更新した。サハさんは、昨年12月に逮捕されて以来、起訴もなく拘禁されてきた。行政拘禁制度が、恣意的、抑圧的に適用されている一例である。
行政拘禁により、当局は起訴も裁判手続きもなしに無期限な拘禁が可能となる。国際法では、この制度の適用は例外的な場合にのみ認められており、適用にあたっては厳格な保護措置を求めている。
アブ・サハさんは、パレスチナで学習障がい児対象のサーカス学校に、パーフォーマー兼教師として勤務していた。昨年12月半ば、アブ・サハさんは、通勤途上で逮捕された。
パレスチナ解放人民戦線(PFLP・武装部門を持つ左派政党でイスラエルにより禁止されている)とともに違法活動をしたからだということだった。
12月末、軍は6カ月の行政拘禁命令を出し、翌月には、軍事法廷もこの命令を支持する決定を下した。違法活動を立証する事実はまったく開示されなかったため、本人がその根拠や行政拘禁に対して反論のしようもなかった。
6月15日には、軍判事が再更新や期間の短縮、停止のいずれにするかを審理・決定する。大抵の場合、この手続きも、命令を更新するための一つの手続きに過ぎない。
当局は、法が規定する容疑で起訴するか、釈放するか、いずれかの対応を取るべきである。イスラエルは、長きにわたり、パレスチナ人の抗議の声を封殺するため、行政拘禁を利用してきた。
この卑劣な慣行を全面的に撤廃する措置を即刻講じるべきである。
アムネスティ国際ニュース
2016年6月13日
関連ニュースリリース
- 2022年5月25日 [国際事務局発表ニュース]
イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:増える殺人 パレスチナ人へのアパルトヘイトに終止符を - 2022年3月22日 [国際事務局発表ニュース]
イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:イスラエルによるパレスチナ人へのアパルトヘイト 残虐な支配体制と人道に対する罪 - 2021年7月14日 [国際事務局発表ニュース]
イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:抗議市民に対する暴力が激化 - 2021年6月16日 [国際事務局発表ニュース]
イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:保健医療NGOの封鎖 パレスチナ人が直面する医療危機 - 2021年5月19日 [国際事務局発表ニュース]
イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:不処罰で繰り返される市民の犠牲