ヨルダン:爆弾事件で難民拒否は許されない

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2016年6月30日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ヨルダン
トピック:難民と移民

6月21日にシリアとの国境にある軍の前哨基地で自動車爆弾による爆発があったことに対して、ヨルダン当局は強硬な治安対策を取る意思を示した。しかし、国境封鎖とシリア難民への人道支援を断つような手段に訴えてはならない。紛争を逃れてきたシリア難民は数万人にのぼる。

自動車爆弾の爆発は、綿密な計画のもとで実行されたと見られ、国境警備兵6人が殺害され、数人が負傷した。犯行声明は、どのグループからも出されていない。

7万人以上が、砂漠地帯で足止めされている。国境を完全に封鎖され、人道支援がなくなると、避難場所のない人びとは最悪の状況に追い込まれ、生き延びることさえ難しくなる。

数万人の難民が、爆発現場の近くで身動きが取れないでいる。多くは、アレッポ、デイル・アル・ズール、ホムス、ハマ、アル・ラッカなど、シリアで最も紛争の被害を被っている地域から逃れてきた。

ヨルダンは、民間人を武力攻撃から保護する義務がある。また、治安対策が、国際法が定める、難民の保護・支援の義務に違反するようなことがあってはならない。シリア人を母国にいたときと同じ状況に追いやってはならない。入国拒否は、国際法違反にあたる。

自動車爆弾は、ヨルダン、シリア、イラクの国境が接する、辺地な砂漠地帯にあるルクバン検問所を狙ったものだった。2014年半ば、ヨルダンは東部のシリアとの国境を実際上閉鎖した。国境検問所付近は、武力紛争から逃れてきた人びとで徐々に膨れあがってきた。

2015年11月では、およそ9,000人だったが、その数は次第に拡大してきた。現在、ルクバン国境検問所近くで6万人以上が、ハダラト国境検問所近くで1万人以上が、悲惨な状況にある。

今年3月、ヨルダンは足止めされている難民を最大2万人まで、アズラク難民キャンプに受け入れることに同意したと伝えられた。しかし、受け入れられた人たちが入れられたのは、キャンプ内のフェンスで囲まれた区域だった。人道支援活動家の推測によると、この状況が続けば、地べた生活を余儀なくされるシリア人は、年末までに10万人に達する。

「強硬手段」も辞さず

ヨルダン当局は、自動車爆破事件に速やかに反応した。国王は、「わが政府は、強硬手段も辞さない」と語り、国境は封鎖された。

ヨルダンは現在、国連の難民機関(UNHCR)に登録された65万人以上のシリア難民を受け入れている。アムネスティは繰り返し国際社会に、主要な難民受け入れ国であるヨルダンへの支援を強化し、その難民対応プロジェクトに十分な資金を出し、同国にいる難民の受け入れを増やせるよう、訴えてきた。6月12日時点で、同プロジェクトへの資金供給は、目標額の6.2%だった。

アムネスティ国際ニュース
2016年6月22日

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