タイ:香港活動家を入国拒否 表現の自由への抑圧

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2016年10月 8日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:タイ
トピック:

タイが、香港の学生活動家、黄之鋒さんの入国を拒否したことは、表現の自由を抑圧していくという政府の姿勢を浮き彫りにするものであり、その背景に中国の影響力があることに、深刻な懸念をおぼえる。

黄之鋒さんの拘束と送還は、タイの軍事政権が国内の政治論議を抑えむためには手段を選ばないことのを示している。

学生活動家の黄さんは、最近結成された民主派の政党「デモシスト(香港衆志)」の事務局長をしている。黄さんは2014年、雨傘運動と呼ばれた香港の民主化要求運動のリーダーの一人で、その名は国際的にも知られるようになった。黄さんと香港の雨傘運動は、タイの学生活動家にも大きな影響を与えてきた。

その黄さんが10月5日、バンコクのスワンナプーム空港に降り立った時、拘束された。今回の訪問は、1976年の学生デモが警察や軍などに弾圧された事件を記念するイベントで講演するためだった。

拘束後、黄さんは飛行機に乗せられ、香港に送還された。香港に到着した時、黄さんは「バンコクでの拘束中、家族や弁護士と連絡を取ることができなかった」と語った。

複数の未確認情報では、タイは、中国政府からの要請で、黄さんを拘束したとコメントしたという。ただ、タイ政府は今のところ、拘束に対する公式説明は行っていない。タイはこれまでも、明らかに中国の圧力で、ノン・ルフールマンの原則に反して、中国人の活動家や庇護希望者を中国に送還してきた。

タイ政府は、地政学的な問題を人権に優先させてはならない。また、空港を民主主義などの対話を抑圧する場にしてはならない。

アムネスティ国際ニュース
2016年10月5日

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