- 2024年6月19日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:タイ
- トピック:性的指向と性自認
6月18日、タイの上院で結婚平等法案が可決された。国王の承認を得れば、同性婚を法的に認める東南アジア初の国となる。この画期的な瞬間は、婚姻の平等を求めて闘ってきた活動家、市民団体、議員のたゆまぬ努力の勝利である。
同性婚が法制化されることは、タイにとって重要な出来事であることは間違いないが、LGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)の人びとの完全な保護を実現するには、さらに多くのことが必要だ。
タイではLGBTIの人びとは、さまざまな形の暴力や差別に直面し続けている。特にLGBTIの権利のために活動する人びとは、インターネットやSNS、電子メールなどでのジェンダーに基づく差別にさらされている。
タイ当局は歴史的な前進を機会として、LGBTIの人びとや団体の権利保障に向けて、当事者の参画の上で、さらなる措置を講じなければならない。
参考情報
タイ国会の下院は2024年3月27日、圧倒的多数で結婚平等法案を可決し6月18日には、臨時国会で上院が法案を可決した。この法案は、結婚、養子縁組、医療同意、相続などに関して、同性カップルに異性カップルと同等の権利を認めるものである。
法案は今後、タイ国王に提出され、国王の承認を得る。この承認後、王室官報に掲載され、120日後に法律となる。
以前、2015年にタイは、SOGIESC(性的指向、性自認、性表現、性的特性)に基づく差別に対する法的保護の提供を目的としたジェンダー平等法を可決した。しかし、国連女性差別撤廃委員会は、この法律には宗教的原則や国家安全保障を理由としたジェンダーに基づく差別の禁止を適用外とする規定が含まれているとして、タイ政府に懸念を指摘している。
アムネスティ・インターナショナルは、2024年5月に発表した報告書の中で、タイのLGBTIの権利のために活動する人たちが、その活動ゆえにデジタル監視やオンライン・ハラスメントの標的になっていることを明らかにした。多くの人びとが深刻な精神衛生上の影響を受け、活動を控えるようになった。
台湾では2019年にアジアで初めて法的に同性婚が認められた。ネパールでは、2023年11月にLGBTIカップルの婚姻登録が初めて受理された。
アムネスティ国際ニュース
2024年6月18日
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