- 2018年3月 1日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フィリピン
- トピック:
フィリピン当局は、レイラ・デリマ上院議員に対する根拠なき薬物関連容疑での起訴を直ちに取下げ、釈放するべきである。薬物法違反容疑は、事実無根であり、即時無条件の釈放を要求する。
デリマさんは、ドゥテルテ大統領主導の薬物取締りを厳しく批判してきた。
ドゥテルテ大統領が主導する「薬物撲滅戦争」で、警察は、貧民街を主な標的に何千人もの市民を違法に殺害してきた。デリマさんは終始、この残虐な取り締まりを痛烈に批判してきた。警察や当局幹部の責任を追及して、政権の怒りを買ったこともあった。
2012年、国の人権委員会の議長を務めた時には、当時ダバオ市長だったドゥテルテ氏の関与が疑われる超法規的処刑の問題を調査し、その調査に基づきオンブズマン事務所(行政監察院)に同氏の捜査を勧告した。
こうした追及が、ドゥテルテ大統領に「あいつを公開の場で潰してやりたい」とメディアの前で言わしめた。大統領やその支持者らからは、麻薬取引に関与しているかのような批判など、陰湿な嫌がらせや脅迫を受けた。
そして昨年2月24日、デリマ上院議員は包括的危険薬物法違反関連の容疑(3件)で逮捕された。弁護団は、「容疑には何の根拠もない」として重大な懸念を表明した。
勾留中には、インターネット、携帯、テレビなどの使用が一切、禁じられ、「監房に空調設備を」という医者の要望も無視されるなど、報復的な扱いを受けたという。
政権が、貧しい市民を守ることよりも勇敢な政権批判者を痛めつけ、口を封じることに熱心なのは、なんとも嘆かわしい。
アムネスティ国際ニュース
2018年2月23日
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