メキシコ:学生43人失踪事件 捜査の不正を国連が指摘

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2018年3月23日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:メキシコ
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国連人権高等弁務官事務所は3月15日、手厳しい報告書の中で、2014年に学生43人が強制失踪の被害に遭い殺害された事件の捜査には、恣意的な拘束や証拠隠滅など多数の不正が行われたとして、同国に対して、犯罪捜査全般の早急な改革を求めた。

重大な犯罪に対する極めてずさんな捜査は、司法制度がいかに悪用されてきたかを物語る。

2014年9月26日、メキシコ南部ゲレロ州にあるアヨツィナパ教員養成学校の学生一行43人が警官らの襲撃を受け、行方不明になった。

メキシコの検察機関である連邦検事総長事務局は、地方警察が学生を地元の麻薬密売グループに引き渡し、密売グループが学生を殺害して死体を燃やし、その灰を川に捨てたと発表していた。しかし、各国の専門家らは、「この説には偽りがある」と何度も指摘した。

国連人権高等弁務官事務所は3月15日、検察の捜査には不当な拘束や拷問、海兵隊員が容疑者を拷問死させるなど34件の違法行為があったと発表した。

また、遺灰が捨てられたとされる川の現場検証での不正や、検察側から内部捜査への妨害もあったとした。さらに、真実を知り、犯罪者の処罰や賠償を受けるという被害者側の権利も、当局が侵害してきた事実を指摘した。

国連はメキシコに対して、真に中立・公正な犯罪捜査体制の確保、捜査当局による人権侵害の根絶など15項目を勧告した。アムネスティは、同国に対してこれらの勧告を適切な時機に実効性ある方法で実施するよう要請する。

アムネスティ国際ニュース
2018年3月16日

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