- 2018年4月 7日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:
パレスチナ自治区ガザ地区で3月30日にあった大規模なデモに対するイスラエル軍の武力行使で、パレスチナ保健省によるとパレスチナ人17人が亡くなり、約1,400人が負傷した。
デモは、イスラエルの建国により土地を追われたパレスチナ難民数百万人の帰還する権利を求めるもので、30日から始まった。
前日の29日、イスラエル軍は、ガザ地区との境界付近に狙撃兵100人を配置し、「戦車とドローンで治安を強化する」と宣言した。また、境界のフェンス付近を「軍事区域だ」として、フェンスに近づくのは危険だ、と警告していた。
デモ初日、軍は、丸腰のデモ参加者に銃や催涙ガス、ゴム弾など武力で応じ、多数の死者と負傷者を出した。これは明らかに過剰な力の行使だ。
デモ参加者の中には、フェンスに向けて、石、火炎瓶、燃えたタイヤなどを投げた人たちもいた模様だが、これが重装備の兵士にとってどれほどの脅威なのか、はなはだ疑問である。国際人権法では、銃などの殺傷武器は、身に危険が差し迫った場合にのみ使用が許されている。
デモは5月15日まで続く予定だ。この日は、1948年のイスラエル建国に伴い、多くのパレスチナ人が故郷を追われ、土地や財産を奪われた悲劇を嘆く「ナクバ(大惨事)」の記念日に当たる。
イスラエルは、パレスチナ難民の人権を70年間ないがしろにしてきた。少なくともデモ参加者のパレスチナ人の平和的なデモを認め、その要求に耳を傾けなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2018年3月31日
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