- 2018年7月24日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラク
- トピック:
治安部隊が、インターネットを遮断した上でイラク南部とバグダッドでデモ隊の鎮圧に乗り出したのではないかと危惧されている。
イラクの南部全域で7月8日から、高い失業率と行政の失策に抗議するデモが始まった。7月12日の深夜から、全土でインターネットが使えなくなった。4日後の週明けには、接続はほぼ回復したが、回線状況は悪く、複数のソーシャルメディアが使えなかった。
信頼できる情報によると、治安部隊は、今回のデモの鎮圧にあたり、事前にネットを遮断して、弾圧の様子を撮った動画や写真をネットで共有できないようにしているのではないかという。
弾圧には、無抵抗の人たちへの暴行や拘束、さらに発砲もともなう。当局は、デモ隊への対応に自由裁量を与えるために、故意にネットを遮断し、治安行動の記録を撮られないようにしたおそれがあるのだ。
デモに参加した男性(21才)によると、特別機動隊が、対峙するデモ隊に発砲した上で、参加者を追いかけ、殴りかかったという。
「参加した人たちは一人残らず殴られ、負傷した。自分もつかまれて棍棒を振り下ろされ、腕を骨折した。ネットを遮断したのは、僕たちを暴行するためだ」
別の目撃者の話では、治安部隊はデモ隊に催涙弾と実弾を使用し、少なくとも8人が死亡した。
7月16日には、バグダッドでもデモ参加者2人が逮捕された。その後、暴行やテーザー銃(スタンガンの一種)て抵抗できなくされた上で、だれがデモを主催したのか、過激組織に入っているのか、などと尋問された。そして、内容の説明もないまま、書類にサインさせられ、釈放された。
イラク当局は、このようなデモ参加者に対する暴力的で常軌を逸した対応を直ちにやめさせ、また、これまでの暴行を公正に捜査し、その関係者全員の罪を問わなければならない。
政府は、すべての市民に表現の自由と抗議の権利を保障する義務がある。
アムネスティ国際ニュース
2018年7月19日
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