- 2018年8月 1日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フィリピン
- トピック:
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は23日、国会での施策方針演説の中で、自身の麻薬掃討作戦を批判する人権擁護者たちに対し、「あなたたちの関心は人の権利だが、私の関心は人の命だ」とうそぶいた。
大統領が主導する「麻薬戦争」では、何千人もの市民が犠牲になってきた。しかも、標的にされた人たちの多くは、最貧層の人たちだ。自身が人命の擁護者だとは、弱い立場にいた犠牲者やその家族を侮辱した発言である。しかも、これからもこの作戦を継続すると宣言した。人道に対する罪とみなされる作戦を、である。
生存権も人権である。したがって、ドゥテルテ氏が人権と生存権を別物にしているのは、はなはだしい誤りだ。人権擁護団体などが、麻薬撲滅捜査に名を借りた数千件の超法規的処刑を厳しく非難する間も、同氏は、この殺りくを誇らしげに語り、さらなる暴力を煽り立ててきた。
人権擁護団体への誹謗は、国を問わず、人権侵害者たちが自分たちへの批判をそらすために使う古典的な手口だ。ドゥテルテ政権は、虚勢と脅しと流血で際立っている。同政権が3期目に入り、同国の市民は、不幸にもこれらの暴力に一層さらされるだろう。
アムネスティ国際ニュース
2018年7月23日
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