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フィリピン:麻薬撲滅作戦で初の警官有罪

2018年12月 9日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:フィリピン
トピック:

フィリピンの裁判所が、キアン・デロス・サントスさん(17才)を殺害したとして、警察官3人に有罪を言い渡した。警察官による一連の殺人に対する画期的な判決である。

サントスさんは、昨年8月16日に自宅近くの路地で殺害された。警察は当初、職務質問中にサントスさんが発砲したため、やむをえず警察官が応戦したと発表していた。しかし、目撃者の証言と防犯カメラの映像で、警察官が無抵抗のサントスさんを路地に引きずり込み、至近距離で射殺したことがわかった。

今回の裁判で、罪のない命をいとも簡単に奪うこの作戦が、いかに冷酷かがあらためて確認された。

アムネスティの調査で、ドゥテルテ大統領の就任以来、警察官による殺人は数千件を超えていることがわかっている。大統領は、「死のリスト」と呼ばれる麻薬容疑者のリストを公開し、警察官や一般市民に、彼らを殺害しても罪には問われないと呼びかけていた。

ほとんどの犠牲者は、社会に取り残された極貧の人たちだ。サントスさんのような未成年もいる。サントスさんの死は、麻薬撲滅作戦が引き起こしてきた悲劇の象徴だ。

今回の裁判は、評価に値するが、あまにも遅かったといえる。

殺人を犯した警察官や殺害を指示したとみられる幹部はこれまで、一度もその罪を問われることがなかった。アムネスティは、大統領の呼びかけで不処罰の風潮がまん延したと、繰り返し警告してきた。

また、これまでに裁かれた警察官が今回の3人のみということは、警察には、内部の不祥事を公正に捜査する力がないということだ。したがって、第三者による捜査チームを設け、麻薬撲滅作戦をめぐる殺人をあらためて捜査し、加害警察官とその関係者全員の責任を追及すべきだ。さもなければ、国際刑事裁判所の捜査に加え、国連も調査を行うべきである。

ドゥテルテ大統領は、麻薬とは別の作戦で「共産者の反乱分子」に対する暗殺チームを作り、作戦を強化するという発言もしている。これでは、不処罰の風潮が、いっそう悪化するだけである。

ドゥテルテ大統領は、殺人が伴う違法な作戦をただちに停止すべきである。

アムネスティ国際ニュース
2018年11月29日

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