- 2019年2月 6日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フィリピン
- トピック:
平和な社会を訴えるランディ・フェリックス・マラヤオさんが1月30日、バスに乗車中に何者かに射殺された。
マラヤオさんは各地の反政府活動団体の連合体、民族民主戦線のコンサルタントで、連合体と政府との和平交渉窓口を担当していた。
政治にものを言う人たちが、襲撃され殺される事件が日常的に起き、ドゥテルテ政権下で、こうした殺人が常態化している。さらに、左派や共産主義者グループの関係者なら殺してもいい、という暗黙の了解があることも明らかだ。
マラヤオさんの殺害も、社会の治安がいかにむしばまれているかを物語る。
殺人を容認する風潮は、直ちに払拭する必要がある。警察当局は、マラヤオさんや現政権発足以降に起きた殺人事件を徹底的に捜査し、容疑者を告発するべきだ。
背景情報
報道によれば、事件はフィリピン南部ヌエバ・ビスカヤ州の町アリタオであった。マラヤオさんを乗せたバスが停留所で停車したとき、何者かが車中で眠っていたマラヤオさんに銃口を向け、2回発砲した。
フィリピン民族民主戦線は、各地の反政府活動グループの連合体で、政権との和平交渉に長らく従事してきた。マラヤオさんは、現大統領が和平会議を中止する以前、ヨーロッパでの協議に参加していた。
アロヨ政権下の2008年、殺人罪で実刑4年を受け、投獄されたことがあったが、この投獄は、政治的な圧力があったというのが、活動家たちの見方だった。
また、昨年2月に法務省の指示で裁判所が作成した「テロリスト」約650人のリストにマラヤオさんが入っていた。その後、削除された。
アムネスティ国際ニュース
2019年1月30日
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