- 2019年3月 1日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ルワンダ
- トピック:難民と移民
ルワンダに逃れてきたコンゴ民主共和国の難民の11人の死亡事件から1年、ルワンダ当局は、いまだ難民に銃口を向けた警官の特定も、起訴もしていない。死亡した11人は、特別手当や支援の削減に抗議していた。
その一方で、抗議した難民の少なくとも 63人が、警官への暴行、違法なデモの計画や参加、国際的な評判を貶めることを狙った虚偽情報の拡散などの嫌疑をかけられている。しかし、捜査すべきは、無防備な難民11人の死亡事件であり、その真相究明と加害者の処罰だ。
昨年2月22日、コンゴからの難民数百人が、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の支援が削減されたことに抗議するために、難民キャンプからUNHCRの事務所前に押し寄せた。事務所前で、自分たちを母国に送り返すか、他国のキャンプに移すよう訴えた。
これに対して、警察、現地の役人、UNHCRは、キャンプに戻るよう説得したが、難民は3日間、国連事務所前で抗議を続けた。
そして警察は、難民に銃口を向けて発砲し、死者8人を出した。UNHCRの発表では、さらに3人が死亡した。
警察は、難民が暴徒化し警官数人が負傷したと主張したが、目撃者によると、警官が催涙ガスを打ち込んだから、難民が投石したということだった。
これまで、ルワンダ当局と国連人権委員会の意識は、的外れにも難民の抗議に向けられてきた。しかし、問題にすべきは、難民から死者やけが人を出した警官の対応である。
逮捕された難民
2018年2月22日、催涙ガスなどの攻撃で退散する難民のうち21人が逮捕された。
4月には、難民キャンプ内の高まる不満に警戒して、キャンプ周辺に多数の警官が配置された。そして、4月末から翌月にかけて、難民と警官の間で小競り合いが発生し、子ども1人が病院に搬送されたり、難民14人がけがをしたりした。そのうちの1人は、搬送先で亡くなった。
5月末時点での逮捕された難民の数は、合計65人にのぼった。
非暴力の抗議を罪に問うのは、国際法違反である。誰にでも表現の自由、集会の自由の権利がある。権利を行使した難民が逮捕され、難民に発砲し死亡させた警官は処罰されない。これではとても司法制度が機能しているとは言えない。
発砲した警官の取り調べを
ルワンダの捜査当局は、抗議行動に発砲した警察の行為に問題がなかったのか、独立した公正な捜査をすべきだ。抗議する人たちを解散させるうえで、過剰で不適切な武力行使だったかどうか明らかにする必要がある。催涙ガスで混乱する群衆に向けて手当たり次第に発砲したとすれば、必ず罪を問われなければならない。
また、銃器の使用は、身に危険が迫るときだけであることを周知徹底する必要がある。そして、再発防止に向けて、集会における武力・火器の使用集団治安当局は、国際基準に沿った火器使用基準を至急、整備するべきである。
アムネスティ国際ニュース
2019年2月22日
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