- 2024年4月18日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ルワンダ
- トピック:
ルワンダでおよそ80万人のツチ族が犠牲になった1994年のジェノサイド(集団殺害)から30年、4月7日に犠牲者を追悼する式典が行われた。アムネスティは各国に、犠牲者と生き残った人たちのために正義と説明責任をあらためて求める。
多くの加害者は、ルワンダの国や地域の裁判所、あるいはルワンダ国際刑事裁判所や普遍的管轄権の原則に基づく欧米の裁判所で裁かれてきた。最近では、迅速な訴追や処罰、被害者らへの補償などの正義の実現が重視されるようになった。
正義の遅滞は正義の否定を意味する。ジェノサイドの首謀者とされる人物の何人かは、法廷に立つ前に亡くなったり、高齢による病気で裁判が無期限延期になったりしており、生存者や犠牲者家族にとっては正義の一刻も早い実現が急務になっている。
2020年5月から2023年11月にかけて、国際刑事裁判所残余メカニズム(IRMCT)逃亡者追跡チームは、ルワンダ国際刑事裁判所が起訴した最重要指名手配者のうちの4人の死亡を確認した。
オーギャスタン・ビジマナ国防相(当時、以下同様)の遺骨は、2020年にコンゴ共和国内で確認された。また、IRMCTは、プロタイス・ムピランヤ大統領警護隊司令官が2006年にジンバブエで死去していたことを確認した。同司令官は、首相、憲法裁判所長官、農業大臣、情報大臣など穏健派幹部と、ベルギーの国連平和維持軍10人の殺害への関与で罪に問われていた。
また、ジェノサイド当時のガコ軍事キャンプの司令官でブゲセラ地域での最高位の軍人、フェネアス・ムニャルガラマ容疑者が2002年にコンゴ民主共和国で亡くなり、人道に対する罪で逮捕状が出ているアロイス・ンディムバティ容疑者(ギソブ・コミューン長)が1997年にルワンダで死去していたことも確認された。
昨年5月、ルワンダ国際刑事裁判所に起訴され、数十年間、南アフリカに潜伏していたフルジェンス・カイシェマ容疑者が、現地で逮捕された。カイシェマ容疑者は現在も同国で入国管理関連の罪に問われて勾留されている。
ジェノサイドへの資金提供が疑われ、26年間逃亡した末に逮捕されたフェリシアン・カブガ容疑者(90歳)の裁判は昨年8月、高齢による病気を理由に無期限停止になった。重い認知症で公判継続は不適であるという2023年6月のルワンダ国際刑事裁判の判断に従ったものだった。同容疑者は、ジェノサイドに加担したインテラハムウェ民兵への資金提供やラジオ放送でのジェノサイドを扇動する憎悪発言などで起訴されている。裁判の無期限停止に対し、生存者や遺族は怒りと失望を隠せなかった。
犠牲者を偲び、被害者や遺族への正義を実現するために、各国は適宜、普遍的管轄権を行使して加害者を訴追するなど正義を求め続けるべきだ。
アムネスティ国際ニュース
2024年4月5日
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