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イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:排除されるパレスチナ議員

2019年9月12日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
トピック:

9月17日、イスラエルではクネセト(国会)の議員選挙が実施されるが、パレスチナ人にとっては、議員に選出されたとしてもその議員生活は、いばらの道だ。

パレスチナ人議員を露骨に差別する法律や国会規則が足かせとなり、パレスチナ人の権利や利益を代表して擁護する議論や活動を阻まれるためだ。また、イスラエル人閣僚から露骨な攻撃を受け、法案を提出しようとしても俎上にも載らない状況に置かれている。

民主的選挙で選ばれたにもかかわらず、パレスチナ議員は正当な議員活動ができない。ますます激しくなるパレスチナ議員に対する差別的扱いは、パレスチナ市民に対する容赦ない差別となんら変わりない。

イスラエルとパレスチナ自治区でパレスチナ人に対する人権侵害が続く中、イスラエルの立法府が、パレスチナ議員の声に耳を傾け、検討し、尊重することは、極めて重要である。

イスラエルのパレスチナ市民は、総人口の20パーセントを占め、法律上、選挙権と被選挙権は認められているが、現実には、住宅、教育、医療など市民として生活する上でさまざまな差別を受けている。

昨年施行された法律は、イスラエルを「ユダヤ人の国」と定義し、非ユダヤ人に対する差別を明確にした。この法律は、ユダヤ人だけに自決権を認め、無条件に市民権を得られる移民はユダヤ人のみと規定し、ユダヤ人入植地の建設促進をうたい、アラビア語を公用語から格下げした。

近年、イスラエルは、少数民族や社会的弱者に対する差別を強化する施策を打ち出し、パレスチナ人の権利擁護を阻害してきた。また、アムネスティをはじめとした国内外の人権団体や市民団体による人権擁護活動の排除に動いてきた。

クネセトでの露骨な差別

イスラエルのクネセトにおける法改正や議員慣行などにパレスチナ人議員に対する差別を助長する傾向にあることは、アムネスティの調べで浮き彫りになった。

例えば、2016年の法改正では、パレスチナ議員を投票で排除することが可能になった。その結果、イスラエル議員にとっては受け入れがたい、平和を前提とする発言をすると、議席を失ってしまうおそれがある。

あるパレスチナ議員は、この事態を「頭上に剣をぶら下げられた状態」と評し、法改正を口封じのための脅しと捉えているようだった。

また、イスラエル人議員からの露骨な差別的、対立的言動も目立ってきた。ネタニヤフ首相は公然と、「イスラエルは、市民全員の国ではない。ユダヤ人だけの国だ」と発言した。「パレスチナ人の政党は、イスラエルの国をせん滅しようとしている」とも言い放った。

イスラエル人の政府高官や議員は、パレスチナ人の同僚の発言や活動を批判するときは、常に挑発的で屈辱的な言葉が使う。イスラエルの政策を批判するパレスチナ議員を「裏切り者」や「反逆者」呼ばわりする。

元来は倫理的慣行の促進を意図した国会規則が、最近では、パレスチナ議員の表現の自由の権利の制限に利用されている。

NGOの金銭的支援で外遊を計画していたパレスチナ議員2人が、計画を断念させられる事態があった。昨年の規則改正で、外遊の旅費が、イスラエル製品の不買運動に関わるNGOから出ていれば、その外遊は禁止となったためだ。

アムネスティは、製品ボイコットの要求も支持もしないが、そのような権利は認められるべきだと考える。

また、パレスチナ人議員が提出した法案が、審議入り前に葬られることが、2011年以降で少なくとも4回あった。法案には、パレスチナ人の社会参加などの権利が盛り込まれていた。

クネセトは、直ちにパレスチナ議員や市民への差別を助長する法律を廃止あるいは改正しなければならない。

また、政府は、パレスチナ議員に対する差別的な制限を廃止し、表現の自由に対する権利を擁護するべきである。また、人権と平等を訴える議員の排除やその議員への敵意を煽る言動を慎まなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2019年9月4日

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