フィリピン:夜間外出禁止令違反者に屈辱的行為を強要

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2020年4月22日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:フィリピン
トピック:性的指向と性自認

(C)TED ALJIBE/AFP via Getty Images
(C)TED ALJIBE/AFP via Getty Images

新型コロナウイルス対策として夜間外出禁止の措置を取るフィリピンで、4月7日、パンパンガ州メキシコで、夜間外出禁止令を破ったとされるLGBTQI+(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クイア、インターセックスなど)の3人が、取り締まりの警官にみだらな行為を強要された。さらに警官の上司はこの様子をビデオに撮り、ソーシャルメディアに投稿した。

当局は、事実関係を調査し、事実ならば、暴行やみだらな行為の強要などをした警官を早急に処分すべきである。

フィリピンでは外出禁止令に違反した人たちが、地元警官から嫌がらせを受ける事件が多発している。当局は、早急に捜査し、しかるべき対応を取るべきである。

3月、ラグナ州サンタクルーズでは、警官が、夜間外出禁止令の違反者を犬の檻に監禁した。この警官は、後に罪に問われていることが報じられている。マニラでは、隔離命令に違反した市民数人が、警官から暴行を受けた。この様子が撮影されたビデオの投稿で発覚し、捜査が始まった。

夜間外出禁止令の遂行を装った警官の違法行為が、許されることがあってはならない。

新型コロナウイルスの世界的大流行を受け、公衆衛生対策として行われる都市封鎖や隔離などの制限措置は、人権侵害を引き起こす危険性をはらんでいる。人権の制限は、国際人権基準に従い、明確で厳格な指針の下、最小限の範囲でなければならない。

とりわけ、コロナ危機にある今は、一旦違法行為を許せば、すでにまん延する不処罰をさらに助長させることになる。

法律は、常に適切に運用されなければならず、非常事態であるか否かを問わず、当局は、不正を働く警官を適切に処分しなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2020年4月8日

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