アンゴラ:市民の抗議に暴力で応じる警察

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2020年12月19日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:アンゴラ
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(C) LUSA
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この数カ月間、アンゴラでは、抗議デモに対する当局の過度で不必要な力の行使と新型コロナウイルス感染の中での緊急事態で科された制限措置の違反者の取り締まりが、激しくなっている。

アムネスティとアンゴラの人権団体OMUNGAの共同調査で、感染拡大で生活苦に陥る市民の批判が高まる中、治安当局が、殺害を含む多数の人権侵害を行っていることが明らかになった。5月から9月までの5カ月間で、緊急事態制限下の市民を監視する警官らの暴力で亡くなった人は10人に達している。

今、アンゴラで発生している事態は、人権蹂躙そのものだ。治安当局を使って国家が市民の声を封じているのであり、表現や集会の自由の権利を否定しているのだ。さらに、緊急事態制限に違反した市民が、警官に殺されるという恐るべき事態になっている。

アンゴラ政府は、治安当局に違法な力の行使を直ちにやめさせ、警官らによる殺傷を捜査し、加害警官の責任を問わなければならない。また、市民の抗議を力で封じるのではなく、彼らが意見を言えるような環境を作るべきだ。

激しくなる抗議デモ

11月11日にあった物価高への抗議デモもそうだが、昨今のデモは、警察の違法な力の行使を受け、多数の参加者が拘束されてきた。

新型コロナウイルス感染拡大で、社会的、経済的格差が広がり、失業や食料不足などが深刻になり、市民の不満が高まっている。9月以降、人びとは、格差や生活苦に怒り、しばしば街頭で抗議するようになった。治安部隊は、非暴力の市民に棍棒を振るい、放水砲やゴム弾、催涙ガスを放って追い払った。

10月24日、ルアンダ州とウアンボ州で経済や生活環境の悪化に抗議し、地方議会選挙の実施を求めるデモがあった。直前の23日には、5人以上の街頭集会を禁じる大統領令が出されたが、デモの当日は、多数の市民が集まった。ルアンダ州では、デモ隊の集合場所に通じる通りに事前にバリケードが築かれ、デモに集まってきた人びとが拘束された。

拘束された103人は簡易裁判にかけられ、71人が不服従の罪で実刑1カ月の有罪判決を受けた。彼らは控訴しており、上級審の判決はこれからだ。

独立45周年記念日にあたる11月11日にも、草の根の活動団体が呼びかけた全国規模のデモがあった。当局はここでも暴力で対応、ルアンダ州では学生1人が死亡し、数十人が負傷した。

アムネスティとOMUNGAは、政府に対し非暴力で抗議する市民に警察力の違法な行使をやめるよう強く求めている。また、恣意的な集会排除をやめ、全市民の表現の自由と集会の権利を尊重するよう求めている。

アムネスティ国際ニュース
2020年12月8日

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