- 2022年8月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アンゴラ
- トピック:
今年8月24日、大統領と国会議員を選出する国政選挙を控える中、アンゴラ市民は、かつてない弾圧を受けている。アンゴラ南部の干ばつによる飢餓の影響で人道状況が悪化する中、当局による市民の弾圧が激しさを増している。アムネスティの最近の調査で明らかになった。
この数年、市民の抗議が当局の激しい弾圧を受けることが増えている。国の責任追及と社会経済的権利を求める若者の抗議デモなども武力行使を受けている。
当局は人権を尊重し、これまでの多数の人権侵害を捜査し、被害者や犠牲者に適切な補償をしなければならない。
当局は国際社会の協力を得ながら、干ばつの被害者への人道支援に取り組む必要がある。
違法な殺害、恣意的逮捕、飢饉
一昨年の新型コロナパンデミックの中、治安部隊の武力行使で少なくとも7人の若者が犠牲になった。昨年1月には、ルンダ・ノルテ州カフンフォで物価高騰に抗議していた数十人が警官に射殺された。
治安部隊も、近隣の町や森でデモ参加者に武力で対応した。殺傷された市民の正確な数は不明で、近くの川では遺棄された遺体が複数体見つかっている。
昨年2月には、東部の自治と自決を求める「ルンダ・チョクウェ保護領運動」のホセ・マテウス・ゼカムチマさんが逮捕された。ホセさんはその後、「悪人や武装反乱グループとの結託」と「国家転覆を目的とした反乱の主導」の容疑で訴追され、不当な裁判で有罪になり収監された。収監後は、弁護人や家族との接見も認められなかった。
昨年5月、カビンダ州警察は、デモを武力で解散させ、参加者数人を逮捕し、拘束した。このデモの参加者は、干ばつによる飢饉、失業、物価の高騰に対する国の無策を抗議していた。他の4つの州でも同様のデモがあった。
アムネスティは、今回の選挙の候補者に次のことを公約するよう求めている。
- 当局によるすべての殺害に対し公正で徹底した捜査を行い、特定した加害者を公正な裁判にかける。
- 犠牲者とその家族が司法制度を利用し、救済措置を受けられるようにする。
- 非暴力のデモ参加者に対し過剰で致死的な武力を行使した治安部隊員全員を公正な裁判にかける
- 国際社会の協力を得て、アンゴラ南部干ばつの被害者に速やかな人道支援を提供する。
背景情報
2002年の内戦終了後、畜産業者が共同放牧地の土地を収奪したことで、牧畜民の共同体の経済社会的耐性が徐々に低下した。現在は、南部地域の数百万人が、気候変動により干ばつの脅威にさらされている。食料と水不足が悪化し、数千人が土地を離れ、近隣のナミビアに避難している。
アムネスティ国際ニュース
2022年8月16日
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