- 2021年12月 2日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:南北アメリカ地域
- トピック:女性の権利
母国での人権侵害から逃れて周辺諸国に保護を求めてきたベネズエラ人女性や少女に対するジェンダーに基づく暴力が、深刻化している。
受け入れ先の国々には、身の安全を求めて入国したベネズエラ人を保護する義務があるが、女性や少女が暴力や差別を受けるおそれが高い状況に置かれている。各国は、保護を求める女性らにジェンダーに配慮した対応を直ちに取る義務がある。
ベネズエラの人たちは世界で2番目に多くの人々が避難を強いられている。国際社会は、世界各国が責任を分かち合うという原則に基づき、この危機に取り組まなければならない。市民団体、人権活動家、国際団体などが、極めて脆弱な状況にあるベネズエラの難民を支援しているが、各国政府も、女性や少女など特に暴力や差別を受けやすい人たちの人権を守る対応を取る必要がある。
ベネズエラ人が緊急に保護を必要としている事態を受け、アムネスティは最近、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協力して、コロンビア、ペルー、エクアドルで女性や少女、あるいは多様な性的指向や性自認を持つ人びとの保護を支援する2年間のプロジェクトを開始した。
ペルーは、ベネズエラ人の主要受け入れ国の一つだが、アムネスティの調査で、ペルーにいる難民女性や少女が、ジェンダーに基づく暴力や差別を日常的に受けていること、さらに女性らは、難民申請手続きを棚上げにされるなどして、先行きが見えないまま非正規扱いを受けていることもわかった。
また、アムネスティが、ジェンダーに基づく暴力の被害者、人権擁護者、関係当局に聞き取りをした結果、ベネズエラ人女性や少女は、嫌がらせや脅し、圧力などにさらされていることも明らかになった。職場、教室、街角での嫌がらせを受けたり、職や家の提供と引き換えに性的関係を強要されたりしている。強制送還への不安も尽きない。
アムネスティは、ペルー当局に対し、ジェンダーや移民という立場に基づく差別は厳禁であることを当局担当者らに徹底させ、たとえ非正規の立場でも現行法規でジェンダーに基づく暴力の被害者は訴えることが可能だと周知するよう、要請する。さらに、当局は、移民や難民女性らが法的資格にかかわらず、司法、保護、支援を受ける権利があることを広く発信しなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2021年11月25日
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