- 2024年4月22日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ポーランド
- トピック:女性の権利
ポーランド議会の第一読会で、人工妊娠中絶に関する法律の4つの改正案が承認された。多くの人たちの生命と健康に深刻な影響を与えてきた法律の改正案を承認したことで、議会は中絶を希望する人たちに対する厳格で残虐な規制の廃止に向け、大きな一歩を踏み出した。
ポーランドは、中絶を厳しく制限する法律を早急に改正する必要がある。同法は、人びとの健康を脅かし、生命を危険にさらし、同国が果たすべき国際的および欧州の人権の義務に違反する。また、国際保健機関(WHO)の中絶ケアのガイドラインにも反している。
改正案が次の投票の段階を通過するには、政治家が中絶法の影響を直接受けてきた人たちや市民社会の声に耳を傾け、同法を国際人権基準に沿うものにすることが極めて重要だ。
中絶手術を必要とする人、手術を行う医療従事者、中絶の支持者・活動家・賛同者が、刑事罰に脅されることがないようにする上で中絶の非犯罪化は不可欠だ。
背景情報
2021年1月27日、政治的介入などで信用が失墜しているポーランドの憲法裁判所は、「重度かつ不可逆的な胎児の異常あるいは胎児の生命を脅かす不治の病」という中絶の理由を除外する判決を下した。
この判決で、非常に厳格な法律の中でわずかに残っていた中絶を認める法的根拠の一つが排除されたため、中絶が事実上、ほぼ全面的に禁止されることになった。それまで同国で実施されていた年1,000件ほどの合法的中絶の90パーセント以上は、この法的根拠に基づいていた。
現行法では、妊婦の健康や生命に危険がある時、あるいは犯罪による妊娠の時のみ、中絶手術が認められている。しかし、たとえ合法的でも同法の「抑止的効果」により、医療従事者が合法的な中絶でさえも拒否する傾向にある。
アムネスティ国際ニュース
2024年4月12日
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