ギニア:スタジアム虐殺の加害者 人道に対する罪で有罪

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2024年8月17日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ギニア
トピック:

ギニアの首都コナクリのスタジアムに治安部隊が突入し、反体制派156人以上を殺害し、109人以上の女性と少女に強かん・性的暴力を加えた2009年9月28日の事件で、地元のディクシン裁判所は7月31日、被告人8人に人道に対する罪で有罪判決を言い渡した。

アムネスティはまだ判決文全体に目を通していないが、ムサ・ダディス・カマラ元大統領ら被告8人に対する今回の歴史的判決を歓迎する。事件から15年近く経つ中、被害者やその家族はようやく、正義、真実、補償がもたらされることになる。

裁判所が事件を人道に対する罪に再分類すると決定したことで、性犯罪を含むこのこの犯罪の重大さがあらためて確認されることになった。また、対応の遅れはあったものの、ギニアにはこの虐殺事件の容疑者を起訴し裁判にかける能力と意思は示した。今回の裁判は、国際刑事裁判所(ICC)と一国の裁判所の相互補完が成功した事例であり、アフリカで初めて、ICCが審査していた犯罪で当時最も責任に問われるべき者を、国が捜査、起訴、審理したことになる。

アムネスティは、被害者団体、ギニアの人権団体、国際人権団体の活動と決意に敬意を表する。これらの団体の働きかけがなければ、同事件の捜査も裁判所の審理と判決も実現しなかった。

ギニア当局とICCの積極的で的確な対応、複数の国の支援、当事国の政治的意思があれば、防衛・治安部隊による殺人と性暴力の被害者に対しても正義が実現されることが示された。

世界では、抗議デモへの違法な銃器の使用や過剰な力の行使が日常的に行われ、性犯罪の多くが処罰されない状況が続いている。

背景情報

7月31日、刑事裁判所はダディス・カマラ元大統領を含む8人に人道に対する罪で有罪判決を言い渡した。元大統領は禁錮20年、残る7人のうち6人は禁錮10年から20年、逃走中の1人は終身刑。8人以外の4人の被告は無罪だった。

2009年9月28日、首都コナクリのスタジアムには、当時実権を握っていたダディス・カマラ大尉が大統領に就く意向を示したことに抗議する市民ら数万人がスタジアムに集まっていた。そこに突入した治安部隊は、無差別に発砲するなど非道の限りを尽くし、多数の犠牲者を出した。

国際調査委員会の報告書(2009年)によると、この事件で156人以上が亡くなり、109人以上が性暴力(性器切除や性奴隷を含む)を受けた。

アムネスティは、当時の状況をまとめた報告書を2010年2月に出している。

2009年10月14日、国際刑事裁判所は予備審査を開始した。2022年9月29日、検事はギニアが犯罪を捜査し訴追する能力と意思があるとして、予備審査を終了した。

アムネスティ国際ニュース
2024年7月31日

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