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国際刑事裁判所10周年に関する要請書

2012年7月 6日
[公開書簡]
国・地域:
トピック:国際人権法

外務大臣
玄葉 光一郎 様

私は、アムネスティ・インターナショナルを代表し、日本国政府に対し、国際刑事裁判所(ICC)の活動に対する日本の支援を明確に表明することにより、ICCが2012年7月1日に創設10周年を迎えるにあたり、公式に祝意を表すこと、またICCの被害者信託基金への資金拠出を表明するよう、ここに要請いたします。

ICCはこの10年間において、称賛に値いする数多くの成果を上げてきました。またこの間に、ICCは完全にその機能を整えました。現在、ICCは、7つの事案について捜査中であり、他には8つの事案について事前調査を行っています。3月にICCは、トーマス・ルバンガ被告に対する裁判において、最初の判決を下しました。しかし一方でICCは、深刻な政治的かつ財政的な課題に直面しており、この課題の克服なくして、ジェノサイド罪や人道に対する罪、戦争犯罪に対する刑事免責に終止符を打つためにICCが本来持つ役割を十全に発揮することはできません。

7月1日、アムネスティは、国際司法におけるこの重要な節目を祝い、世界中で様々な催しを企画しております。私たちは、日本国政府に対し、この記念日を支持する明確な公的メッセージを発信することで、ICC10周年に賛同を示していただくよう、心から要請いたします。現在のICCが抱える課題を踏まえ、私たちは、日本政府が以下の点について、とくに協力を表明することを希望いたします。

  • ローマ規程の批准を各国に働きかけることなど、ICCを国内外において支援していくこと
  • ICCが逮捕状を発行している被疑者の逮捕及びICCへの引き渡しなどで、ICCに全面的に協力すること
  • ICCが、現在および将来にわたってその活動に必要とする適切なリソースを確保できるようすること

さらに私たちは、政府に対し、今年から毎年、ICC被害者信託基金への任意拠出金に協力することを表明するよう要請いたします。ICCとともに設立された被害者信託基金もまた、近年大きな実績を残してきました。信託基金は、被害者が自分たちのコミュニティを再構築するために、被害者を支援するさまざまなプロジェクトを立ち上げています。

それには、拷問や四肢切断の被害者に対する精神的、医療面での支援、子どもや青年への支援、強かんやその他の形態の性暴力の被害者を支援するプロジェクトなどがあります。被害者信託基金が最近発表した声明の中で、これまでにコンゴ民主共和国およびウガンダにおいて8万人の人びとに支援を提供していると述べ、まもなく中央アフリカ共和国での活動を開始する予定であると表明しております。それに加えて、ルバンガ判決を受け、ICC裁判部が現在、ICCにとってはじめてとなる賠償手続を開始しております。もしトーマス・ルバンガに賠償金を支払う資力がない場合でも、この事件やその他の事件におけるICCの賠償決定を履行する際に、信託基金の資金が非常に重要な役割を果たすことになるでしょう。

そのような重要な活動を継続していくために、被害者信託基金はあらゆる国家の支援を求めております。私たちは、日本に対し、今年から毎年、信託基金への任意拠出金を定期的に支出すると表明することによって、すでに同基金に拠出している28か国に日本も加わるよう、希望いたします。それら28ヵ国は、恐るべき犯罪によって多大な苦しみを受けている被害者を支援するために、同基金に財源の安定性が求められることを理解しているのです。

日本が、被害者信託基金に対し任意拠出金の協力を行っていただけるのであれば、同基金事務局長にご連絡下さい。

国際刑事裁判所 被害者信託基金
The Trust Fund for Victims
International Criminal Court
Maanweg 174
2516 AB The Hague
The Netherlands
E-mail: trust.fund@icc-cpi.int

今後の10年間で、被害者のための法に基づく正当な対応と補償を実現するために、ICCの一層の強化に向けたこうした重要な取り組みに対して、ぜひご理解とご支援をお願いする次第です。

2012年7月1日
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 若林秀樹
 

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