アフガニスタン:石打ちによる死刑-人権を汚す不祥事

  1. ホーム
  2. ニュースリリース
  3. アフガニスタン:石打ちによる死刑-人権を汚す不祥事
2005年5月 7日
国・地域:アフガニスタン
トピック:死刑廃止
政府が差別を終わらせる確固たる手段を講じない限り、アフガニスタンでは女性に対する差別が今後も続くだろうと、姦通を疑われた29歳の女性が石打ち刑によって殺害された事件を受け、そのようにアムネスティは述べた。

先週起きたこの殺害は、2001年後半にタリバン体制が崩壊して以来、姦通を犯したとして女性が処刑された初めての事件である。

目撃者によると、アミナという29歳の女性は、夫と現地当局者によって、公開石打ち刑の執行前、バダカン州ウルグにある実家から引きずり出された。彼女と姦淫したとされる男性は100回の鞭打ちを受けた後、釈放されたという。

報告では、アミナは地方裁判所で死刑判決を受け、約48時間のうちに殺害された。

「アフガニスタン政府が、とりわけ、女性を保護し、正義を保障、実現できていないことが、アミナの事件で明らかになった」と、アムネスティは話した。

「女性の基本的人権の侵害に、宗教や慣習が口実として使われてはならない」

「アフガニスタン政府は、国家による暴力だけでなく、個人や集団による暴力からも女性を保護する責任がある。」

アミナの不法な殺害について捜査を行ない、すべての加害責任者を裁きにかけるとのアフガニスタン政府の約束を、アムネスティは歓迎する。

アムネスティは、死刑廃止を求めている。アミナの事件は、死刑の適用に関して取り返しのつかない不正義を明らかにしている。

背景情報

死刑は、究極の残虐、非人道的または品位を傷つける取り扱いであり、生きる権利を侵害していることから、アムネスティは、あらゆる状況における死刑に反対している。

特に、現在のアフガニスタンでは、地方裁判所の決定に対して、中央の刑事司法制度が適切な保障措置を講じることができず、同様に、未だに、正当な法手続きに則った公正な裁判の最低基準を確保できていない。

アムネスティは、市民的および政治的権利に関する国際規約(自由権規約)の国際的義務を遵守するよう、アフガニスタン政府に要請する。同規約第7条では、「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない」と明確に述べている。国際人権法において、国家は、女性の平等、生命、自由、安全に関する権利を確保し、差別、拷問、残虐で非人道的または品位を傷つける取り扱いを受けないよう保証するため、相当な配慮をしなくてはならない。

アフガニスタンに関するすべての文書は下記サイトで公開している。
http://amnesty-news.c.topica.com/maadrVdabgoBObduSDIb/ [英文]

関連ニュースリリース