- 2025年9月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アフガニスタン
- トピック:
8月31日、アフガニスタン東部が壊滅的な地震に襲われた。アフガニスタンがすでに人道危機、人権危機にある中で起きたこの地震で大事な人を失った方々に、アムネスティは深い哀悼の意を表する。
同国では既に2,200万人以上、国民のほぼ半数が人道支援を必要としている。イランとパキスタンから190万人以上のアフガニスタン難民・庇護希望者が集団送還されたことで人道危機はさらに深刻化している。彼らの多くは国境付近の仮設テントで暮らしている。一方で、米国を含む多くの支援国がアフガニスタンの人々への援助を削減・縮小している。
事実上の政権であるタリバンは抑圧的な政策を採り、国連やNGOへの女性の就労禁止を科しているため、アフガニスタンでは人道支援機関の活動が縮小している。これは、人権に対するタリバンの組織的な攻撃の一環である。
アムネスティはタリバン政権に対し、すべての人道支援団体が妨げられることなく即座に活動できるようにし、ニーズ評価を遅らせている行政上の障壁を取り除くよう求める。被災者のニーズに対応し、救助・救援活動が差別なく実施されるよう保証すべきであり、危機的な状況下で複合的な課題に直面しがちな最も弱い立場にあるグループ(女性、子ども、高齢者、障がいしゃ者など)の人権が、救援・復興活動において確実に保障されるよう、特別な措置を講じる必要がある。
危機の際には、人権保護を対応の中核に据えることが極めて重要だ。タリバン当局は、人権義務を遵守し、人びとのニーズに差別なく効果的に対応するような方法で人道支援を促進する措置を講じなければならない。
背景情報
現地時間で8月31日の深夜直前にアフガニスタン東部、パキスタンとの国境付近でマグニチュード6.0の地震が発生した。複数の村が完全に破壊され、少なくとも800人が死亡、2,500人が負傷した。
アフガニスタンでは2023年10月にもマグニチュード6.3の地震が発生し、村々が壊滅、数千人が死亡した。制裁や国際的な孤立、タリバンの干渉により、「被災者への支援はほとんど、あるいはまったく届かず、何千人もの人が何日も助けを得られないまま閉じ込められていた」と、当時の救助隊が述べている。
アムネスティ国際ニュース
2025年9月1日
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