ミャンマー(ビルマ):200人が自由を取り戻し、多くの人びとがいまだ刑務所に囚われている

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2005年7月12日
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:危機にある個人
アムネスティ・インターナショナルは7月6日にヤンゴンのインセイン刑務所に拘禁されていた100人を含む200人以上の政治囚が釈放されたことを歓迎する。

 「10年以上も拘禁されていた人が多く含まれた今回の良心の囚人釈放の知らせは大変喜ばしいことである。」とアムネスティのアジア計画次局長であるキャサリン・ベイバーは述べた。

「しかしながら、1100人以上いる政治囚の中のすべての良心の囚人を即時、無条件で釈放するということが緊急の問題として残されたままである。われわれはビルマ当局にこの釈放の決定の気運を活かし、アウンサンスーチーを含むすべての良心の囚人を政治・宗教の思想に関わらず、無条件に釈放するよう要請する。」

 キャサリン・ベイバーはまた、以下のようにも述べた。
「良心の囚人の釈放は、平和的に異議を唱える人びとを拘禁するといった司法制度の乱用に終止符を打つ最初の一歩である。しかし、釈放された人びとが平和的な政治活動を再度行なった際に、彼らを刑務所へ戻すために利用される条件が付けられていないことを、当局は保証しなければならない。また、当局は、先日釈放された人びとを含め、すべての人びとが弾圧を恐れることなく表現・結社・集会の自由の権利を平和的に行使できることを保障しなければならない。」

 ジャーナリストや学生指導者、尼僧、教師、弁護士、学生、僧、農業労働者など1100人以上が平和的な抗議活動の罪で不公正な裁判にかけられた後、長期間の懲役に服している。彼らの多くが健康状態が悪く、拷問やその他残酷で非人道的、品位を傷つける取り扱いにより苦しんでいる。

 アムネスティは国家平和発展評議会(SPDC)に、平和的な政治、宗教活動を理由に起訴することを認める法律を廃止し、今後不当な投獄から人びとを保護するよう、この機会に繰り返し要求する。また、SPDCは今後、裁判が公正な裁判の国際基準に沿って 行なわれるよう保証しなければならない。

背景
 7月6日に釈放された囚人の一部は模範囚のため、刑期が短縮されて釈放されるのが適当であった。国民民主連盟(NLD)国会議員を含め、2004年11月から2005年1月の大量の囚人の釈放により自由となった多くの政治囚は政治活動を再開した後、再逮捕され、非常に長期間にわたる刑期を宣告された。彼らが7月6日の政治囚の釈放に含まれているかどうかは不明である。政治的な理由による逮捕は続いていると報告されている。

7月6日に釈放された囚人でアムネスティがキャンペーンを行なっていたのは以下の人びとである。

  • セインラーウー  元報道編集者、映画評論家、NLD国会議員 ミッチーナ刑務所で拘禁されていた。1993年に恩赦により条件付きで釈放され、1994年に海外のジャーナリストや外交官に「偽造した情報」を伝えたことと政治に関する資料を配布したことで再逮捕された。7年の懲役を宣告され、最初の刑期の残りも服役させられた。当局は「彼は約束を破り、ひそかに反政府活動を行なっていた」と述べた。
  • キンゾーウィン  歯医者  海外からの留学生でNLDに関わっている シンガポールに行く際にヤンゴン空港で逮捕され、伝えられるところによると「軍政に反対する意見」が含まれている文書、コンピューターディスク、手紙を所持していたことに関連して刑に処された。インセインの劣悪な状況について国連に情報を送ろうとしたため、 また刑務所内で情報を回覧したために1996年に罰せられた囚人のグループに入っていた。囚人は軍用犬の小屋に入れられ、布団なしでコンクリート床で寝ることを強いられ、家族による訪問も禁止されていた。
  • チョーミンユー 学生 1989年に政治活動に関わり逮捕される。17年の懲役刑に服していた。当初は起訴、裁判なしで囚われていたが、その後社会的動揺を引き起こそうとした罪で起訴され、10年の懲役を宣告され、その10年の刑を終えた。しかし刑務所から釈放されないうちに、インセイン刑務所内で海外からのニュースを配布する計画、および刑務所内の状況について国連人権委員会に伝える計画に関与したかどでさらに7年の懲役を宣告された。

 75歳の編集者ウィンティンが釈放されたとの未確認の報告がある。彼は16年前の1989年7月4日に逮捕され、当局との政治的な対立を理由に20年の懲役刑に処されている。彼は公正な裁判を受ける、文章を書く、人間的な扱いを受ける権利などの基本的人権が認められていない。7月1日にアムネスティと国境なき記者団(RSF)はウィンティンの釈放を求める陳情書をパリおよびロンドンのミャンマー大使館に届けた。

アムネスティ国際発表ニュース
AI Index:ASA 16/022/2005
翻訳:ビルマ(ミャンマー)調整チーム

2005年7月6日

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