- 2005年8月11日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:日本
- トピック:女性の権利
第二次世界大戦終結から60年を迎えるにあたり、2005年8月10日の「水曜デモ」を機に、アムネスティ・インターナショナルは旧日本軍によって性奴隷を強いられた女性たちと、正義を求めて活動を続けるその支援者に、賛同の意を表したい。
「水曜デモ」は、1992年以来、韓国の日本大使館前で毎週水曜日に行われている。「水曜デモ」やその他の努力にもかかわらず、「慰安婦」制度の被害者たちは、現在に至るまで正義を待ち続けている。
アムネスティ・インターナショナルは、世界中の性暴力の被害者たちが、救済を受けられていない事実に光が当たるよう、活動を続けている。これら性暴力の犯罪の加害者はほとんど処罰されることがなく、被害者は、あらゆる形の賠償が否定されている。
第二次大戦中、日本占領下のあらゆる地域で、数万という女性が誘拐されて軍が管理する「慰安所」で「慰安婦」となることを強いられた。女性と少女たちは繰り返し強かんされ、性奴隷にさせられた。アムネスティは、これら女性たちが受けた犯罪は、人道に対する罪にあたると考える。
自分たちが受けた苦しみを何度も語り続ける元「従軍慰安婦」の女性たちの勇気は、注目に値する。彼女たちの声は、女性の人権を擁護する人びとの活動とあいまって、性暴力の犯罪は救済されるべきだと要求する世界的な運動を鼓舞し続けている。
今日に至るまで、日本政府は元「従軍慰安婦」が被った人道に対する罪に対する責任を否定し続けている。女性たちは、自らの尊厳を回復できるような、納得できる日本政府から公式の補償と謝罪を求めている。
アムネスティ・インターナショナルは日本政府に対し、被害女性たちが、現状回復、補償、リハビリテーション、充足、再発防止の保証を含む十分な賠償を受けることを保証するよう要請する。
- 公式に女性たちの苦痛を認めることを含む、「慰安婦」制度に関する責任を受け入れ、被害者の尊厳の回復に努め、またいかなる状況で起ころうとも、女性への暴力を非難すること。
- 元「従軍慰安婦」とその近親者が受け入れられるような謝罪を、国会で決議すること。
- 元「従軍慰安婦」または近親者に対して、日本政府による十分かつ効果的な賠償を行うこと。賠償は、長きにわたって救済策が講じられなかったこと、機会や生活が失われたことなどを含むことを考慮に入れるべきである。
-
再発防止の保証。そのために、以下を行うこと。
- 国際刑事裁判所(ICC)のローマ規程を批准すること。
- 女性への暴力を含む人権侵害に使用される武器の蔓延を止めるための、国際武器貿易条約(ATT)締結に向けた努力を支持すること。
- 第二次大戦中の性奴隷制について、学校教育で用いられる教科書の中で、正しい情報を提供すること。 アムネスティ発表国際ニュース
(2005年8月10日)
AI Index: ASA22/011/2005
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