- 2005年10月 5日
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:地域紛争
アムネスティは本日、チェチェンとイングーシにおいて、ロシア政府が関係した拷問や誘拐、一般市民に対する秘密裏に行われた拘禁など、終わりの見えない甚大な人権侵害に関する最新の現地調査報告を発表した。
アムネスティは、「ロシア当局の"テロとの戦い"が、制度化された人権侵害に対する言い訳になっている」と指摘した。
アムネスティは、今週北カフカス地域から帰ってきた調査員が記録した人権侵害の詳細を発表した。調査結果は、2005年10月4日にロンドンで開催される、欧州連合(EU)・ロシア首脳会合に先駆けて、ロンドン、ブリュッセルそしてモスクワで同時に発表された。
報告書の概要で、アムネスティは北カフカスにおける人権侵害に新しい傾向を見いだしたと指摘した。市民は恣意的に拘禁され、自分が関与していない犯罪について告白するよう強要され、拷問や残虐行為の対象となっている。一度「自白」すると、別の拘禁施設に移送され、自分の選んだ弁護士や肉親に会うことができるが、その「自白」は有罪判決を導くに十分な証拠になると見られている。
アムネスティは、基本的人権の遵守を掲げる共同体であるEUにとって、これらは無視できない調査結果である、と述べた。アムネスティはまた、来週の首脳会合でEU議長を務めるトニー・ブレア英首相に対し、プーチン大統領に拷問と「失踪」は許されず、止めなければならないことを明確に伝えるよう要求した。
アムネスティはまた、ウラディーミル・プーチン大統領に対して、EUに向けてはっきりとした声明を出し、ロシア当局が人権侵害を止めるためにただちに行動をとり、犯罪に関与した疑いのある者に対する効果的な調査と起訴手続をとることを保証するよう、またロシア政府が国際人権基準を遵守するよう要求した。
AIはロシア政府に対し、以下を要求する。
- 北カフカスでの人権侵害について、効果的な調査と起訴手続を実施すること
- あらゆる拘禁に際して、法執行機関が国際法に沿うことを確実にすること
- 行方不明者や「失踪」者の問題を解決するための具体的な手段を講じること、とりわけ、発見された遺体の身元を確定させ、記録するための効果的な制度を導入し、その情報を公開すること
- すべての人の強制的失踪からの保護のための国際条約が全会一致で採択されるようにし、それを批准すると確約すること
AI Index:EUR46/038/2005
2005年9月30日
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