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インド:今すぐに死刑廃止へのステップを

2005年11月 7日
国・地域:インド
トピック:死刑廃止
インド政府高官が死刑廃止を支持する発言を行なったことをアムネスティは歓迎する。A.P.J.アブドゥル・カラム大統領は、恩赦申請が出されている死刑囚の一部について恩赦を行なうと述べたと広く伝えられている。

同様に、新しく指名された最高裁判所長官のサベルワル判事も、「個人的には」死刑に反対であるが、法に従って死刑を適用していると述べ、死刑を廃止できるのは国会だけであると発言したと伝えられている。

またカラム大統領は、死刑に関する「包括的な政策」をたてることを求めた。

しかし、包括的な政策をたてるよりも、この機会にインド政府が死刑を全面的に廃止するために、今すぐ本気で議論すべきであるとアムネスティは考えている。

そのためにアムネスティはインド政府に以下のことを要請する。

  • 死刑廃止を目的として、死刑執行の即時停止宣言を行うこと。
  • 死刑を廃止するかどうかについて、政府および国民があらゆる階層で議論し、死刑廃止に向けてただちに行動を開始し、関連する法的措置を講じること。

死刑廃止に向けてのこのような動きは、国際的な死刑廃止の潮流に沿うものである。現在、世界で死刑を廃止している国は121カ国であるが、その内訳は以下のとおりである。

全面的に死刑を廃止した国:86カ国

通常犯罪についてのみ死刑を廃止した国:11カ国(戦時法にさだめられた犯罪や例外的な状況で行なわれた犯罪に対してのみ死刑を適用している国)

事実上の死刑廃止国:24カ国(法律で殺人罪などの通常犯罪に死刑を存置しているが、過去10年間死刑の執行がなく、執行しないことが慣行となっていると考えられる国)

過去10年間だけでも、毎年平均3カ国が法律で死刑を廃止、あるいは通常犯罪においてのみ廃止していた国が全面的に死刑を廃止している。南アジアでは過去10年間にネパールとブータンが死刑を廃止した。

世界的にも地域的にも大きな力を持ってきている国として、今こそインドは死刑を廃止し、人権を擁護する決意を強く示すべきであるとアムネスティは考えている。

死刑は、生きる権利および、残虐、非人道的あるいは品位を傷つける刑罰を受けない権利の侵害であるとして、アムネスティはこれに全面的に反対している。これらの権利は、1979年にインドが批准した自由権規約をはじめとする国際人権基準でさだめられている。死刑は本質的に不公正で恣意的な刑罰である。裁判手続上の誤りは必ず起こり得るが、処刑されてしまえば取り返しがつかない。死刑が他の刑罰に比べて抑止効果が高いと証明する研究はない。

現在、大統領に恩赦申請を出している者を含め、インドの死刑囚の多くは10年以上前に死刑判決を受けている。

アムネスティはインド政府とすべての州政府に対し、死刑の判決と執行に関する情報を公開するよう求める。2005年の国連人権委員会において、超法規的、即決あるいは恣意的処刑に関する国連特別報告者は、死刑の執行数、死刑囚の数や身元を隠すことは国際人権基準に反すると述べ、過誤や虐待を防止し、司法の全段階で公平と公正を確保する保障とするために情報の透明化が必要であると付け加えた。

インドにおける死刑の判決と執行数および処刑された人の身元は非公開である。メディアの報道によれば1947年の独立以来55件の執行があったという。しかし、1967年の法務委員会の報告書によれば1953年から1963年までの間だけでも1422人が処刑されていると、インドの人権団体「民主的権利のための国民連合(PUDR)」は述べている。

マハラシュトラ州が、2002年の情報アクセス権法にもとづき死刑の適用に関する統計を公開したことをアムネスティは歓迎する。しかし他の州は、このような情報を公開することを拒否している。例えば今年に入ってから、ニューデリーの刑務所職員が情報公開拒否の理由を次のように述べた。「処刑された者の中には、インドの主権と尊厳、デリー特別区の治安、国際関係に悪影響を及ぼすような犯罪で有罪となった者がおり、(死刑執行に関する情報を公開すれば)新たな犯罪を誘発する可能性がある。」

背景情報

カラム大統領に恩赦を申請中の死刑囚は現在50人を超えているが、その中には前大統領の時代に申請した人もいる。現在、連邦内務省と議会の勧告を受けて大統領が恩赦を行なうが、この過程は今も不明瞭である。減刑勧告の際には「人道的な側面」を考慮に入れるよう大統領は内務省と議会に要請した。連邦内務省は、勧告する役割に不満を持っているという報告がある。

アムネスティ発表国際ニュース
AI Index: ASA 20/037/2005
2005年10月28日
 

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