インド:人権活動家に無罪 弾圧に対する正義の勝利

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2022年10月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:インド
トピック:

違法活動防止法違反の容疑で5年以上も投獄されてきたデリー大学教授で活動家のゴカラコンダ・ナガ・サイババさんが10月14日、控訴審で無罪を言い渡された。この画期的な判決は、国の弾圧に対する正義の勝利と言える。

ダリット(カーストの最下層民)や先住民族が受けてきた暴力と差別を批判しただけで当局に目をつけられたサイババさんは、そもそも拘束されるべきではなかった。

当局は、当局に批判的とみなした活動家への脅しや嫌がらせをするために、保釈規定が厳格な違法活動防止法(対テロ法)を適用してきた。そして、社会から疎外された人びとの権利のために活動する人びとが、恣意的に拘束されてきた。

アムネスティは、不当に拘束されているすべての人権活動家を即時無条件に釈放するよう求める。

インドは国際的な人権義務を尊重し、人権活動家が報復を恐れることなく活動できる安全で協力的な環境を整えなければならない。

背景情報

サイババさんは2014年、活動を禁止されている複数の毛沢東主義者団体と関係したとして逮捕され、その後違法活動防止法違反容疑で起訴された。2017年3月にあったマハラシュトラ州ガチロリでの一審で、終身刑を言い渡された。

この10月14日、ボンベイ高裁は、サイババさんと共同被告人5人に無罪を言い渡し、当局に対し、別件で起訴されていない限り6人の釈放を命じた。ただ、6人の被告の1人はすでに亡くなっている。

サイババさんは小児麻痺のため手足が不自由で、心臓病などの疾患も抱えている。拘禁環境が劣悪な上、医療処置が不十分なため、病状は著しく悪化してきた。新型コロナウイルス感染症には昨年1月と今年2月の2回、感染した。

再三にわたる仮釈放請求は、治療目的も含め却下されてきた。

今年6月、アムネスティなど国際人権団体の7団体は共同声明を出し、サイババさんの即時釈放を求めていた。

アムネスティ国際ニュース
2022年10月14日

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