インド:ボパール生存者が正義を求めて800kmを行進

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2006年4月14日
国・地域:インド
トピック:企業の社会的責任
マンモハン・シン首相閣下への公開書簡

親愛なる首相閣下、

 私はここに、世界中にいる何千ものアムネスティ・インターナショナルの会員と支持者の懸念をお伝えしたく存じます。

私たちは、マードヤ・プラデーシュ州ボパール地域に、2004年のインド最高裁判所命令のとおり十分な水道飲用水の提供を保証するよう、インド政府に求める請願書に署名いたしました。

 また、貴方と会い要求を訴えるために、中にはニューデリーまで800キロを歩いた人もいる、ボパールの生存者たちの要求をお聞き入れくださいますよう申し上げます。

 2004年12月、アムネスティ・インターナショナルはボパール事故20周年を記念し報告書を発行しました。ご存知のとおり、1984年12月ボパールで、米国の多国籍企業ユニオン・カーバイド社(UCC)のインド支社であるユニオン・カーバイド・インド社(UCIL)が所有する殺虫剤工場からのガス漏出により7000人以上が死亡し、数日のうちに数十万人の人々に影響を与えました。過去20年間、少なくともさらに15000人が死亡し、10万人が高濃度のガスを浴びたことによる慢性疾患で苦しんでいます。現在まで、このガス漏出と、人びとと環境に影響を及ぼし続けるような悲惨な結果について、誰の責任も追及されていません。

 汚染された工場跡地はいまだに浄化されていません。その結果、有毒廃棄物が環境を汚染し続け、周辺地域が頼っている水を汚染しています。マードヤ・プラデーシュ州政府に対して、清潔な水を提供するようにと2004年5月にインド最高裁の命令があったにもかかわらず、州政府はいまだに命令に完全には応じていません。1年以上前の2005年3月9、10日、州政府と最高裁判所の関係者は、永続的な飲用水供給への計画の提示を含め、影響を受けたすべての地域に十分な飲用水を提供する重要な手続きに合意しました。この約束は4週間以内に実行されるはずでしたが、アムネスティ・インターナショナルが知る限りでは何の手続きもとられておらず、マードヤ・プラデーシュ政府は最高裁の命令の実行を怠っていると伝えられています。アムネスティ・インターナショナルは、最高裁の命令を執行できていないことと、それに伴い、十分な飲用水が安定的に供給されていない中で、ボパールの被害者たちが汚染された水を飲み続けざるを得ない状況に追いやられていることを深く懸念しています。

 アムネスティ・インターナショナルはまた、3月28日ニューデリーでの化学肥料省の前で平和的にデモを行っていた300人の抗議者が拘禁されたとの報告に懸念を表します。彼らの多くはボパールの犠牲者たちで、自分たちの要求を訴えるために5週間かけて歩いてきました。少なくともそのうち2人の被害者は、警察に暴行され入院が必要になったと言っています。

 アムネスティ・インターナショナルを代表して、私は以下のことを訴えます:
最高裁の命令に従い、被害を受けた地域に十分で安全な家庭用水の永続的な供給を保証すること;
地下水と環境への更なる害を防ぐために迅速な工場敷地の浄化を保証すること;
上記のデモ参加者への警備について迅速、公平で徹底した透明性のある調査を行い、警察による武力の使用が国内法と国際基準との整合性がとれているかを調査し、過度の武力の行使に関与したとされる人物は、責任を負うことを保証すること。

 ニューデリーまで行進したボパールの被害者たちは、貴方との面会を求めていると聞いています。ボパールの被害者たちを受け入れることに同意し、彼らの要求に対処するためにあなたが取ろうとされる手続きについて彼らに報告くださるよう期待します。

心をこめて

アイリーン・カーン
事務総長

アムネスティ国際ニュース
(2006年4月6日)
AI Index: ASA 20/010/2006 (Public)

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