- 2006年10月 9日
 - 国・地域:ロシア連邦
 - トピック:危機にある個人
 
	アンナ・ポリトコフスカヤ氏は、チェチェンやその他のロシア連邦内における人権侵害を報道し、そのジャーナリストとしての活動ゆえに標的にされたと、アムネスティは考える。
	
	「アムネスティは、アンナ・ポリトコフスカヤ氏の殺害に愕然としている」と、ヨーロッパ・中央アジアプログラム部長のニコラ・ダックワースは語った。「ロシアは、勇敢で献身的な人権活動家をひとり失った。ポリトコフスカヤ氏は正義に対する暴力に恐れることなく声を上げ、正義を求めて休むことなく活動していた」
	
	アムネスティはロシア連邦政府に対し、同氏の殺害について完全で公正な調査を実施し、その結果を公開し、被疑者が国際人権法に則って裁判にかけられるよう要請する。
	
	アムネスティはまた、北コーカサス地域で活動する者も含め、ロシアのすべての人権活動家と独立したジャーナリストが、嫌がらせや脅迫の恐れなく安全に活動を続けられることを確保するために、緊急の対策を講じることをロシア連邦政府に求める。
	
	アムネスティは、アンナ・ポリトコフスカヤ氏の家族に、深い哀悼の意を伝えたい。
	
	<背景>
	
	報道によると警察は、10月7日の午前5時10分、モスクワでポリトコフスカヤ氏が住むアパートの一棟のエレベーター内で射殺された同氏を隣人が発見したと発表した。検察事務所は「計画殺人」の犯罪捜査を開始したと報道されている。
	
	ロシアのジャーナリストであり人権活動家であるアンナ・ポリトコフスカヤ氏は1999年以来、新聞『Novaia Gazeta』紙上でチェチェンにおける人権状況を報道し続けてきた。同氏は恐れることなく真摯に紛争の状況を伝え、2001年にアムネスティ英国支部による人権ジャーナリズム国際賞を含め、数々の賞を受賞してその業績は広く知られていた。ポリトコフスカヤ氏はまた、軍よる暴力、国家機関の汚職、警察による残虐行為など、ロシアのさまざまな人権侵害についても広範に執筆していた。
	
	アンナ・ポリトコフスカヤ氏は、政府の政策と行為に対する歯に衣着せぬ批判のために、ロシアとチェチェン当局からの脅迫に直面していた。執筆した記事のために何度も拘束されて報復の脅迫を受け、2004年6月にはチェチェンのツェンテロイにあるラムザン・カディロフ氏(現チェチェン首相)の自宅で数時間拘束され、言葉による嫌がらせと脅迫を受けた。ポリトコフスカヤ氏はまた、2004年9月、北オセチアのベスランで人質事件が起こった際に同地へ行くことを禁止されたと報道されている。ポリトコフスカヤ氏は、モスクワからロストフへ向かう飛行機の中で意図的に毒を盛られたと考えており、同氏は機内でお茶を飲んですぐに意識を失った。
	
	アムネスティ発表国際ニュース
	(2006年10月7日)
	AI Index: EUR 46/000/2006
	
	関連する過去のアムネスティ国際ニュース
	http://www.incl.ne.jp/ktrs/aijapan/2005/0509300.htm
	ロシア:北カフカスにおける終わりのない甚大な人権侵害
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