ロシア連邦:亡命活動家への攻撃悪化 「反戦委員会」をテロ容疑で捜査

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2025年10月16日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ロシア連邦
トピック:

国外で反戦運動を主導する「ロシア反戦委員会」のメンバーら亡命中の反体制派に対し、テロ関連容疑で刑事手続きが開始された。

ロシア反戦委員会に対する刑事手続きは、ロシア当局が国内だけでなく国外の活動家も標的にしようとしていることを示す。これによりロシア国内から同組織と関わることは極めて危険となり、同僚や家族を含めて関係者は恣意的な捜索・逮捕・長期刑のリスクにさらされる。

ウクライナにおけるロシアの犯罪的な戦争への抗議活動に「テロリズム」のレッテルを貼ることは、現実を180度捻じ曲げるものであり、恐怖を植え付け、国内の反戦派と亡命を余儀なくされた人たちの連帯の場を消し去るためだけに仕組まれた動きだ。

ロシア当局は直ちにこうした荒唐無稽な容疑を取り下げ、異論を封じるために、「望ましくない組織」を禁止する法律などテロ・国家保安関連法規を濫用することをやめるべきだ。国際社会は、戦争反対の声を上げ続けるロシアの反戦運動を支援・保護する取り組みを、急いで強化すべきだ。

背景情報

10月14日、ロシア連邦保安局(FSB)は、ロシア反戦委員会のメンバーを含む亡命中の有力反体制派らに対し刑事手続きを開始したと発表した。本人不在のまま刑事手続きの対象となったのは、反戦委員会メンバーのミハイル・ホドルコフスキーさん、ウラジーミル・カラ・ムルザさん、アナスタシア・シェフチェンコさん、ミハイル・カシヤノフ元首相ら23人。また「その他特定されていない人物」も対象に挙げられ、容疑者のリストが未確定である可能性を示唆している。

彼らは「暴力による権力奪取の企て」(刑法第278条)および「テロ組織の結成」(第205.4条第1項・第2項)の容疑で捜査を受けており、これらの罪で有罪となれば終身刑の可能性がある。ロシア反戦委員会は2022年、著名なロシア人政治亡命者らによって設立された。FSBは、同組織の目的がロシアの「憲法体制の変更」と「武力による権力掌握」にあると主張している。2024年1月、ロシア当局は同組織を「好ましくない団体」に指定し、国内での活動を非合法化するとともに、同組織とのあらゆる協力を禁止した。

ミハイル・ホドルコフスキーさんは、刑法第205.2条第2項に基づく「テロ活動実行の公的呼びかけ」の罪で別途捜査されている。

アムネスティ国際ニュース
2025年10月14日

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