ミャンマー(ビルマ):国連人権理事会特別会合に向けた声明

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2007年10月 2日
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:危機にある個人
議長閣下

ビルマ(ミャンマー)軍事政権が、2007年9月25日、ヤンゴンやマンダレー、その他多くの都市で平和的な抗議行動に対し暴力的な弾圧を開始したことは、皆様ご承知の通りです。

治安維持部隊は、平和的に抗議行動を行なっていた人びとを追い払うために大量逮捕を実施し、催涙ガスや警棒の使用、威嚇射撃などをしています。これらの行為は僧院内でも行なわれました。また、逃げる抗議行動の参加者、ジャーナリストや見物人に対して実弾で発砲しました。

メディアや電話回線、インターネットに対する規制が強化されるなど、情報の流れも厳しく制限されてしまっています。殺害された人や拘束された人の実数は秘密にされています。軍事政権の公式声明は死亡者を9人としましたが、実際の犠牲者数はこれをはるかに上回るのではないかとアムネスティ・インターナショナルは危惧しています。また、ヤンゴンだけで少なくとも1,000人が逮捕されていると考えられています。

最優先事項としてアムネスティは、ビルマ軍事政権に、すべての被拘禁者の行方と安否を明らかにするように要請しています。彼らが拷問やその他の虐待を受ける危険性は深刻です。数十年にわたり免責の風潮が蔓延しているビルマでは、尋問中や裁判前の拘禁期間に被拘禁者が暴力を受ける傾向が広く定着してしまっています。

ビルマ軍事政権は、法執行官や国軍その他の治安維持部隊によって拘禁されたすべての人に対して責任を取る義務があります。拘禁されている人びとは、秘密の場所に拘禁されてはならず、独立した弁護士、医療関係者、家族との接見できなければなりません。

今回の危機が始まった8月に逮捕された150人以上の人びとを含め、平和的な集会に参加したために拘禁された人びとは、明確な犯罪の嫌疑によって起訴されない限り、ただちに釈放されるべきです。今回の危機以前から拘禁されていた1,150人の政治囚のうちに含まれる、すべての良心の囚人もまた釈放されるべきです。

アムネスティは、法執行官や国軍、治安部隊がさらに逮捕を続け、人びとの平和的な抗議行動を阻止するために暴力を行使し続けることを憂慮しています。当局のそのような対応は、同国のすでに深刻な人権状況をさらに悪化させ、大量の国内避難民の発生や難民流出を引き起こして周辺地域の平和と安全を脅かすことになりかねません。

議長閣下、

安全保障理事会が、引き続きビルマの情勢と、これが地域の平和と安全に対して及ぼす脅威を注視する一方で、人権理事会は、平和的な抗議行動の弾圧に際して行なわれている深刻な人権侵害に断固たる姿勢で臨むことで、安保理の取り組みを補完すべきです。

アムネスティは、国連人権理事会が、ビルマで現在行なわれている重大な人権侵害を強く非難する決議を採択すること、また、平和的な抗議行動への暴力的な弾圧を直ちに止めるよう要請することを求めます。人権理事会は、直ちに、ビルマの人権状況に関する特別報告者が同国を訪問してその状況を文書にまとめ、人権理事会・国連総会・安保理へ報告するなど特別報告者としての重要な任務を継続する保証策を講じなければなりません。

ありがとうございました。

AI Index:ASA 16/020/2007
2007年10月2日