アフガニスタン:15人の処刑に遺憾

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2007年10月 9日
国・地域:アフガニスタン
トピック:死刑廃止
アフガニスタンで2007年10月7日に15人が処刑されたことをアムネスティ・インターナショナルは強く非難する。15人は、カブール郊外にあるプリチャルキ重警備刑務所で銃殺刑に処せられた。罪状は、強姦、殺人、治安部門の襲撃、強盗、略奪など多岐にわたっていた。

死刑廃止に向けて、真に地球規模で勢いが増している時にこのような処刑が行なわれたことを、アムネスティはとくに遺憾に思う。世界のあらゆる地域の合計133カ国が法律上あるいは事実上死刑を廃止し、伝えられる死刑執行の数も全体的に減少している。世界死刑廃止デーの10月10日には、世界中の人びとが死刑に対する抗議行動を起こし、今月末には国連総会で、全世界的な死刑執行停止をすべての政府に求める決議案が採決される。

アフガニスタンでは過去3年間、死刑の執行がなかったが、今回の執行によってこの執行停止に終止符が打たれた。先日、タリバンがアフガニスタン南部で15歳の少年を処刑したばかりであった。

死刑は生きる権利の侵害であり、残虐、非人道的かつ品位を傷つける刑罰であるとアムネスティは考えている。世界が死刑に背を向けようとしているいま、15人の処刑は異常である。国家によるこのような殺人は、とくに今回のケースのように、裁判の公正さに深刻な疑いのある場合は、ますます容認しがたいものとなる。

アフガニスタンでは、2004年4月にアブドラ・シャーを処刑して以来、執行がなかった。シャーの裁判が行なわれていた2002年10月、超法規的、即決あるいは恣意的処刑に関する国連特別報告者は裁判を傍聴し、「極刑を科すための国際基準に沿うような保障規定や法規制が、裁判の現段階では遵守されていないことが」懸念されると述べた。2003年、国連人権委員会はアフガニスタン政府に対し、「アフガニスタンの裁判制度には手続き上および実際上の欠陥があることに照らし、死刑適用の禁止を宣言」するよう求めた。

死刑は、差別的に適用されることが多く、貧しい人びとや少数派、および民族・部族・宗教共同体のメンバーに対し不均等に多く用いられる。死刑は不公正な裁判によって適用されることも多く、また無実の人を処刑する危険性については実例が繰り返されている。さらに、死刑が犯罪に対して特別な抑止効果があると証明されたことはない。死刑はそれを執行する人びとを暴力化・非人間化するものであり、また社会が人間の生命に対して置く価値をそこなうものであるとアムネスティは考えている。

アムネスティは再度、アフガニスタン政府に対し、死刑の適用をただちに公式に停止するよう求める。

AI Index: ASA 11/014/2007
2007年10月9日

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