- 2026年3月11日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アフガニスタン
- トピック:女性の権利

タリバン指導者が最近承認した新たな刑事規制は、女性に対する暴力と差別をさらに常態化させるだろう。アムネスティはこの規制に関する法的分析を発表し、人権に及ぼす影響が広範で、さらなる後退を招くことを明らかにした。
「裁判所刑事手続規則」は、あいまいかつ過度に広範な犯罪行為に対する処罰と量刑を定めており、家庭内暴力については女性が骨折や目に見える傷を負った場合のみ犯罪とみなす。また、夫の許可なく定期的に親族を訪問し、帰宅を命じる裁判所命令に従わない女性に対して、3カ月の禁錮刑を科すと規定している。
さらに、宗教上の不服従への厳罰化、社会的地位の低い人びとに対するより重い処罰、そして奴隷制の容認を定めている。その他の条項では、財産破壊を刑罰として認め、体罰による拷問その他の虐待を制度化し、死刑を適用する犯罪の範囲も拡大している。
この規制は、すでに抑圧的な法制度をいっそう過酷なものにしている。家庭内暴力を日常化させたり、女性の移動や自律性に対する制限をさらに強めたりする条項が盛り込まれており、当然ながら、女性や少女が最も深刻な影響を受ける。
厳格な宗教遵守を求める規定や社会的階層に応じて刑罰を重くする規定は、差別を一層固定化し、社会で最も疎外され経済的に不利な立場にある人びとを標的にすることになる。
アムネスティはタリバンに対し、この抑圧的な規制を直ちに撤回または改正し、国際人権基準に沿うものとするよう求める。また国際社会に対し、この規制を明確に非難し、タリバンが継続している広範かつ組織的な人権侵害を終わらせるために圧力をかけるよう強く促す。
アムネスティの分析は、規制の中核をなす過酷な規定とそれらがもたらす課題、そして少なくとも7つの分野における人権への影響を明らかにしている。対象分野と主要な論点は以下の通りだ。
女性の権利:前述の変更点がジェンダーに基づく暴力の被害者にとって不可欠な保護の仕組みをどう奪うのか
宗教・信条・思想・表現の自由: タリバンが遵守を求めるイスラム教スンニ派のハナフィー学派から逸脱した場合に科される厳しい新処罰が宗教的少数派に与える影響、およびスンニ派の教義に反する信仰を異端としている
拷問その他の虐待: 広範な犯罪に対してむち打ちなどの形で拷問やその他の虐待が規定されている
死刑:「常習的な不自然な性行為」を含む広範な犯罪に対し、「公共の利益」の判断に基づきイマーム(指導者)の裁量で死刑を科す
国際的な公正な裁判基準:犯罪の定義があいまいなため、タリバン裁判官や当局が恣意的に解釈、適用できてしまい、司法手続きがさらに損ねられる
法の下の平等:犯罪者を社会的階層に基づき4つの区分に分け、それに応じて刑罰を段階的に変えている
奴隷制:一部の規定の文言が特定の個人に対する所有権を認め、奴隷制を明示的に容認しているように見える
背景情報
1月5日、タリバン指導者は新しい刑事規制を承認し、官報への掲載を命じた。官報は法律その他の立法文書を国民が確認できるよう公にする手段である。1月8日、タリバン最高裁判所事務局は、同規則を最高裁判所、各局、各地の裁判所に配布し施行を周知した。官報にはまだ掲載されていないものの、タリバンは1月23日「近く掲載される」と表明した。アムネスティは2月19日、実効支配するタリバンの当局に連絡を取り、この分析のために、規則の正式な写しおよび関連資料の提供を求め、また規則が事実上施行されているかどうか確認しようとしたが、回答は得られなかった。
2月15日、あるメディアは、この規則の施行により、バドギス州でタリバン指導者を侮辱したとして1人が訴追されたと報じた。
アムネスティ国際ニュース
2026年3月6日
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